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2008年6月28日 (土)

記事タイトル

道後平野サイクリング2(復路) 道後温泉・市内遍路 【愛媛・自転車・ソロ】

道後平野を横断するサイクリング。
この平野を流れる「重信川」の下流域の始まり付近にある「レスパシティ」でサイクリングは折り返し。
レスパシティの中にあるスーパーで遅めのお昼を調達して平らげたら、復路の出発だ。
同じ道を帰るのも何なので、途中から違うルートを走ることにする。
往路はいくつもの泉が湧く重信川のほとりの自然を楽しむコースだった。
帰りは、松山市内の四国霊場をお参りしながら道後温泉を目指す約19kmの「プチ遍路」コースだ。

往路に苦しめられた強烈な向かい風は復路では頼もしい追い風。
あんなに重かったペダルが信じられないほど軽い。
最速ギアで自転車道をまるで風のようになって走る。
往路では1時間ほどかかった道をたった15分で走り抜けた。
西林寺
重信川に架かる「久谷大橋」まで河川敷の道を戻れば、この橋を渡る県道40号線を北上する。
するとすぐに四国霊場48番の「西林寺」に到着する。

ここで、少しお遍路について。
お遍路とは、88か所のお寺をめぐって四国を一周する巡礼・修行の旅。
弘法大師の足跡をたどる旅で平安時代に始まったとされる。
今もその信仰は四国には深く根付いていて、巡礼をする人は県内外から多く訪れる。
お遍路さんの格好は、白装束に菅笠、そして弘法大師の化身とされる金剛杖を持つ。
車や公共機関、観光バスを使い巡礼する方がほとんどだが、歩きで何十日もかけて巡礼する人も多い。
四国の道を車で走っているとそんな「歩き遍路」という人を多く見ることができる。
四国には「お接待」という風習が残っていて、お遍路さんをもてなすことで、自らの願いをお遍路に託すというもの。
その為、歩き遍路には四国の人はとても優しく、食べ物を頂いたり、時には宿を提供してもらったりなどということもある。
僕も四国に転勤したときはこのお遍路を自転車でやってみたい、そう思っていたがまだまったく何も出来ていない。
今回はここで、少しだけお遍路をしてみる事にする。

さて、まずは西林寺の仁王門をくぐる。
この門は、罪人がくぐれば地獄に堕ちるという恐ろしい門。少しドキドキしながら境内へ入り、お参りする。
通常、お遍路をするときには本堂・大師堂で読経し、納経帳に朱印をもらうなど、参拝の方法が細かく決められている。
だが僕はお遍路の格好していなければ道具も何も持っていない。この日は普通に参拝する。
僕がお参りしている間にもお遍路さんが次々やってきて、般若心経を読経している。
浄土寺
西林寺から県道40号線を北上。
伊予鉄道横河原線の鷹ノ子駅を左折して、線路沿いに道を走る。
看板を目印に、少し住宅地に入ったところに49番「浄土寺」がある。
市街地の喧騒がうそのように、静かで趣のある山門には長い歴史と人々の思いを感じざるを得ない。
繁多寺
浄土寺からは「日尾八幡神社」のある交差点を右折して北上する。
同じ県道40号線だが、ここからは「松山東部環状線」という名称がある。
途中、案内板を目印に県道から外れて上り坂を登って行く。
小高い山の裾野に、50番「繁多寺」がある。
山に囲まれた、自然の香が漂う静かな山寺。
もう時間が遅いということもあり、訪れる人の数もとても少なかった。
ちなみにお遍路さんは参拝をした印に納経帳に朱印をもらうのだが、その受付時間は午後5時まで。
すべてのお寺の共通の時間で、この時間を回るとお遍路さんは参拝ができなくなる。
そのため夕方5時を回ったお寺は、とても静かになる。
石手寺入口
繁多寺から松山東部環状線をさらに北上し、石手川を渡ると、51番「石手寺」に到着。
道後温泉からほど近いこともあり、今までのお寺とは違い多くの観光客も訪れるお寺だ。
昔、この一帯を治める領主の男の子どもは生まれた時から左手を握ったまま開けなかった。
このお寺で祈祷をうけると、その手からこのお遍路の元祖とされる衛門三郎の生まれ変わりを示す小石が出てきたという。
その言い伝えがこのお寺の名前の由来で、安産祈願に訪れる人も後を絶たない。
お寺の入口には弘法大師の像があり、遍路用品のお店もある。
石手寺参道
山門へと参道を進む。
もう時間は遅く、訪れる人の姿はほとんどない。
静かな参道は、とても神秘的で厳かな空気が漂う。
この先には鎌倉時代に造られた歴史ある山門が待っている。
石手寺
黄昏空に三重塔がシルエットとなり、訪れる人がいなくなった広い境内は、不思議な雰囲気。
蝋燭の光に照らされた薄暗く静か境内に漂う線香の煙。昼間の喧騒が嘘のようで、仏が現れてもおかしくない。
石手寺の境内はとても広く、洞窟めぐりや、山の中を歩きまわってお参りする小さな霊場などがある。
今日はもう遅いが、今度はゆっくりと訪れてみたい。
道後温泉
石手寺の前の道を西へ向かって走ると、旅館が立ち並び始める。
ここが愛媛県最大の観光地、道後温泉
聖徳太子も入ったと言われる道後温泉は日本最古の温泉。
そのシンボルであるのが「道後温泉本館」
その前の道は、以前は車や観光バスで大渋滞だったが、近年は石畳の道になり、車が入ってこれない。
夜でも多くの観光客や、浴衣を着た近隣の旅館の宿泊客でとても賑わっている。
道後温泉本館
道後温泉本館は、夜のライトアップがとても美しく、幻想的。
宮崎アニメの「千と千尋の神隠し」の湯屋のモデルとなったと言われ、すぐそばにはジブリショップもある。
明治27年に建築された本館は木造3層構造。
中には又新殿 (ゆうしんでん)という、皇族専用の浴室もある。
現在は使われておらず、有料で内部を見ることができる。
赤く輝く屋上にある楼閣は振鷺閣 (しんろかく)
純和風建築の本館にあって異色の光を放っている。
赤いギヤマンをはめ込んだ障子越しに放たれる光は、とても不思議で、幻想の世界へと誘われる。
振鷺閣の中には太鼓があり、朝・昼と夕方の3回、打ち鳴らされる。
朝の太鼓とともに、地元の人が一番風呂を求めて道後温泉の本館に訪れる。
そんな湯の町の刻を告げる刻太鼓の音は「残したい日本の音風景100選」にも選ばれている。
夜の道後温泉
道後温泉本館の側面。
大衆浴場としてはとても大きく、重厚な造りは貴重で、国の重要文化財にも指定されている。
1階には浴室、2階には大広間、3階には個室がある。
本館の入浴には、入浴方法によって料金が異なる。
入浴のみ、大広間での休憩つき、個室での休憩つき、グレードが上の浴室の利用など。
休憩室を利用すると浴衣を貸してくれるので、この縁側からタオルを肩にかけて身を乗り出して風に当たるのが気持ちいい。

この道後温泉には、夏目漱石正岡子規が足しげく通っている。
夏目漱石の小説「坊ちゃん」は松山に教師として赴任した漱石自身の体験をもとに書かれたもの。
小説で主人公は、道後温泉をモデルにした「住田の温泉」に毎日通っており、夏目漱石がこの温泉をいかに気に入っていたかがわかる。
ただし、漱石が松山で気に入ったものはこの温泉のみのようだ。
松山の町や住んでいる人の事は、「品がなくどうしようもない田舎者」のように相当に悪く書いている。
そんな松山をバカにした「坊ちゃん」だが、今では堂々と松山のイメージキャラクターになっている。
「坊ちゃんスタジアム」や「坊ちゃん列車」、「坊ちゃん団子」など、松山のものならなんでも坊ちゃんと名を冠しているのが不思議だ。
ちなみに道後温泉本館の3階には「坊ちゃんの間」があり、夏目漱石の松山での足跡を紹介している。
道後温泉駅
道後温泉の歴史は古く、周辺には歴史やレトロ感じる場所がたくさんある。
そのひとつ、伊予鉄道の「道後温泉駅」
道後温泉観光の入口となる路面電車の駅だが、駅舎にも電車にもレトロの香りが漂う。
路面電車には最新型も走っているが、古い電車には木の床の内装など、とても歴史を感じる車両もある。
特に夜の時間は、不思議な雰囲気に包まれ、平成の世にいることを忘れさせてくれる。

ここからは路面電車の線路沿いにJR松山駅を目指す。
途中、山の上にそびえる「松山城」がある。
夜はライトアップされていて、闇夜に浮かぶ美しい姿は松山のもうひとつのシンボル。
松山城のお堀を過ぎてもう少し西へ向うと、日本でここにしかない平面交差する線路がある。
伊予鉄道の列車の通過を踏切で路面電車が待つという、面白い風景が見られる。
この踏切を超えると、ライトアップされた歴史を感じる駅舎が見えてくる。
JR松山駅に到着。今回のサイクリングはここで終了だ。
地図

2008年6月22日 (日)

記事タイトル

道後平野サイクリング1・(往路)重信川遡上 【愛媛・自転車・ソロ】

ここの所の異常なほどの原油高。
高騰したガソリンは、どうしても車での遠出を控えざるを得なくなる。
ただでさえ、地方都市に住んでいれば、公共機関は発達していなく、移動はマイカーに頼ることが多い。
ガソリンの値上げは遊びだけでなく、生活にも大打撃である。
そこで見直されるのが、やはり自転車。
燃料でなく、体脂肪を燃やして動くので、環境にも自分の体にも良い。
僕が住む松山には、サイクリングするにはもってこいの場所がいっぱいある。
これからは天気がいい日は自転車で町の中をいろいろ走ってみよう。

そう考え、思い出したのが、去年の秋に走った松山市がある道後平野のサイクリング。
道後平野を形つくった「重信川」を河口から遡上するサイクリング。
市街地を流れる川ながら、豊かな自然とサイクリングロードが整備された河川敷は、サイクリストには天国といえる。
帰路には「四国霊場88か所」のうち4つの寺をまわり、しかも四国の名湯「道後温泉」に訪れるスペシャルプラン。
随分と前のことだが、まだブログで紹介していなかったので、今回紹介したいと思います。
松山空港
スタートは「松山空港」
往路は松山空港から「レスパシティ」というショッピングモールまで、重信川を走る約25kmのコースだ。
松山空港の南側には、飛行機の離着陸が見れるデッキが設けられた公園もある。
遠くの地に思いを馳せながら、ここから僕も自転車に乗って旅立つ。

空港の端までくると、県道22号線に出る。この県道は空港と垂直に接している。
離着陸する飛行機が来れば、頭上すれすれを飛んで行く。
大迫力の瞬間を気軽に止まって待てるのも、自転車のいいところだ。
重信川河口
松山空港から約5km。重信川の河口に到着した。
ここは水鳥がいつも遊ぶ、穏やかな場所。
瀬戸内海と重信川が交わる、風光明媚な伊予灘の風景を楽しんだらいよいよ上流に向けて出発だ。
重信川河口から上流を望む
重信川を遡るサイクリングの始まり。
重信川は標高1233mの東三方ケ森に源を発し、わずか36kmという距離で海に流れ込む川。
とても急なように思えるが、川の流れが南から西へと変わる東温市の見奈良までは非常に流れは緩やか。
周囲の山から水を一手に集めるので、非常に水量も豊かで、大きな川幅をもつ川だ。
重信川河口の道
しばらくは河川敷の土手の上の、四輪車は入れない道を進む。
土手の下には住宅地、河川敷には畑などが広がる、穏やかな風景。
時々、見事に車止めをすり抜けて入ってくる農作業などの軽自動車に気をつければ、のんびりと走れる道だ。
出合橋
しばらく走ると、交通量の多い県道にぶち当たる。
県道を渡って直進する道は自転車道では無い。
しかも、車が多い上に、重信川の右岸は松山市の水がめとなっている石手川となって分岐する。
ここはこの「出合橋」を渡って、重信川の左岸へ渡ろう。
ちなみに、この「出合橋」の下の河原は、9月から10月にかけて、愛媛県の風物詩の「いもたき」の会場となる。
里芋などを中心とした様々な具を鍋で炊き、大勢で囲んで月見をしながらの宴を楽しむ風習だ。
期間中は満員でなければ、当日に予約なしで訪れても、場所といもたきのセットを用意してくれる。
手ぶらで訪れても、郷土の風物を楽しむことができる。
出合橋からの重信川の眺め
出合橋から上流を望む。
この出合橋や少し上流にある国道56号線が走る「出合大橋」から上流を望む重信川の風景。
それが、この川の代表的な風景だ。
北には西日本最高峰の「石鎚山」(1982m)の姿も望め、冬ならば頂を真っ白に染めるその姿はすぐにそれとわかる。
重信川を渡る伊予鉄道郡中線
松山を走る私鉄の「伊予鉄道・郡中線」の踏切を渡る。
伊予鉄道は明治20年設立の歴史ある鉄道で、この郡中線も明治29年開業だそうだ。
町の中の駅や線路には、レトロを感じる場所がいっぱい残っているので、自転車で改めて訪れてみるのも楽しそうだ。
踏切を渡ったら、国道56号線が渡る「出合大橋」の下をくぐる。
松山川内自転車道の入口
「出合大橋」の下をくぐり、一般道を少し行くと、「松山川内自転車道」の入口がある。
ここは重信川の左岸河川敷に造られた、サイクリングロードだ。
対岸の、プロ野球の試合も開かれる「坊ちゃんスタジアム」がある「松山中央公園」を起点に上流へと自転車道は続いている。
松山川内自転車道
自転車道に降りて、のんびりと重信川の河川敷を行く。
前方に皿ヶ嶺、そしてさらにその奥に石鎚山を望みながらのサイクリングはとても快適。
広い河原を渡る風もとても気持ちいい。

が、なんだか天気が悪くなってきた。
前方から吹きつけてくる風もきつくなり、ペダルがずいぶんと重く感じる。
赤坂泉
重信川をさかのぼると、多くの「泉」と呼ばれる場所があることに気づく。
ここは「赤坂泉」
国道33号線が渡る「重信大橋」の近くにある。
大きな泉の底からこんこんと美しい水が湧きだし、小川となって流れている。
周囲は親水公園となっていて、10月のもう肌寒くなった時期なのに、子供が元気に水遊びしていた。

重信川の河床は砂礫層となっていて、川幅の割には流れている水はとても少ない。
雨が降らないと、涸れてしまう場所もあるくらいだ。
その水の多くは伏流水として、地下に流れており、このように湧水が湧く場所は「泉」という灌漑用水として古くから利用されてきた。
きれいな水に何度も出会えるサイクリングは、とても心踊らされる。
重信公園の河川敷
「重信大橋」をくぐるとと、その先で流れ込む砥部川を渡る橋がない。
いったん迂回して、砥部川を県道23号で渡り、続いて県道194号線の「重信橋」で重信川を渡る。
そして、今度は重信川右岸を上流に向けて走り出す。
土手沿いに道はあるが、河川敷にある「重信公園」の砂利道を走るのも楽しい。
小さな泉や、とても近くに感じる重信川の流れはなかなか気持ちいい。
重信川をさかのぼる
重信公園が終わると、あとは延々と土手沿いの道を行く。
車もほとんど通らない、快適な道だ。
ただし、風がどんどんきつくなってきた。これはつらい。
はるかかなたに見えていた山の形がどんどんとはっきりしてくるのは嬉しい。
ただし、石鎚山は、雲の中に完全にその姿を隠してしまった。
龍沢泉
しばらく進むと、また泉がある。
「龍沢泉」というらしい。
森の中に囲まれた泉にはこんこんと美しい水が湧きだしている。
泉の中だけでなく、それを取り囲んでいる石垣の中からも水が流れ出している。
龍沢泉の中
湧きだした水は農業用水として使われるそうだ。
泉からは水路がひかれ、たっぷりの水が流れだしている。
泉の中に防水カメラを入れてみる。
とても冷たい水の中は、どこまでも美しく澄み切っている。
中には小さな川魚が遊んでいて、まるでオアシスのように感じる。
拝志大橋
さあ、かなり両側の山が重信川に迫ってきた。
この旅の終着が近いことを感じられる。
ここは重信川を渡る「拝志大橋」
奥に見える山は、今まで目指して走ってきた「皿ヶ嶺」だ。
「皿ヶ嶺」は標高1270mの山で、ブナの原生林が広がる、僕のお気に入りの山。
いつもこの橋を車で渡って、登山口に向かっている。

ちなみにこの橋は、江口洋介主演「となり町戦争」のロケ地。
となり町との「境界線」がひかれていた場所だ。
見奈良の菜の花畑
拝志大橋を渡って間もなく、重信川は90度向きを変え、北上するようになる。
ここで自転車の旅は折り返し地点。これから先の重信川はその表情をがらっと変え、深い谷間を流れる、まさに中流の様相になる。
その重信川のカーブの内側には「レスパシティ」というショッピングセンターがある。
「クールス・モール」というアウトレットやスーパーがあり、「利楽」という気持ちいい温泉もある。
さすがに帰路があるので、温泉に入る気はしないが、アウトレットの中に何店かレストランもあり、スーパーもあるので昼食にはもってこいの場所だ。

そして、このレスパシティの見どころは、「見奈良の花畑」
ショッピングモールの南側にはとても広い、一面の花畑が広がる。
3月の菜の花畑、10月のコスモス畑はとても美しく、多くの人が訪れる場所だ。
この日は天気が悪く、風景はいまいちだったが、晴れた日だとこんなに美しい風景を楽しめる。
地図

往路へと続く

2008年6月19日 (木)

記事タイトル

atran「リアスタイロアジャスタブル」を取り付けてみました 【自転車】

最近のガソリン高は異常。
とても信じられない。気軽に車で遠出できない世の中になってしまった。
梅雨の空模様も手伝って、最近は家の中にこもりがちだ。
このままでは体もなまるし、精神的にも悪い。
そこで、お金を使わない、近場で楽しむ移動手段として、自転車を見直してみる事にした。
幸い、僕が住む松山市には、史跡あり、山あり、海あり、川あり。ついでに温泉もあり。
自転車一つで楽しめる場所は結構揃っている。

さて、そこで問題がひとつ。
僕の自転車はタイヤを交換して街乗りに適したようにしているが、街乗仕様ではない。
自転車には必ず付いているといえる「スタンド」をつけていないのだ。
郊外で乗る場合、自転車を降りる時はそのあたりの木やガードレールに立てかけられたが、街中ではなかなかそうもいかない。
最近は大きな一眼レフを持つようになったので、自転車を郊外でのライドでも、立てかけたりする場所を探すのが億劫になっていた。
スタンドを今の自転車に取り付けることが、気軽に自転車に乗れるようになるひとつの課題だった。

スタンドをつけないのは、MTBに乗る人に多い。
主な理由は以下の通り。
①オフロードでのライドに邪魔になる
②輪行(自転車を分解して持ち運ぶ)のに邪魔になる
③ツーリングの際にキャリアーをつけるのに邪魔になる。
④後輪のハブ軸固定式のスタンドをつけるのに邪魔になる
⑤デザイン的につけたくない


僕の場合、①は街乗り用のタイヤに変えているのであまり関係ない。
②なのだが、最近輪行することもめっきりなくなったので、ほとんど関係ない。
③も、先日もう使わないからとキャリアーを売り飛ばしたので、これも関係ない。
となると、あとは④と⑤かな?

特に④は、普段の自転車の保管も車への搭載も後輪ハブ軸固定式のスタンドを使っているので死活問題。
ずいぶん前から条件に合うスタンドをいろいろ探していたが、先日やっと僕の望む一品が見つかった。
アジャスタブルリアスタンド
atran「リアスタイロアジャスタブル」

自転車への取り付けはいたって簡単。
後輪のクイックレバーを緩め、その隙間にスタンドを挟み込み、再度レバーを締める。
そして、チェーンステーにスタンドの開閉部を挟み込み、4mmのアーレンキーで固定。
最後は、スタンドの脚の長さを調整して、これも4mmのアーレンキーで固定。
これで取り付けは完了。
脚の長さの調整が済んでいれば、再度の取り付けはあっという間に完了する。
クイックレバーを緩めればすぐに取り外せる。

なんといってもこのスタンドの特徴は脱着がすぐにできること。
ダートでのライドや輪行、ツーリングの際に邪魔になればすぐに取り外せる。
脚を縮めれば、持ち運びにもさほどスペースもとらない。
アジャスタブルスタンド
色もシルバーとブラックが用意されていて、シンプルなデザインもなかなか気に入っている。
意外に⑤の条件も満たしている。

クイックレリースとチェーンステーで固定されているのでスタンドは走行中でもぐらつかない。
脚を蹴りあげてもびくともしない。実用性も十分で頼もしい。

一番気にしていた後輪ハブ軸固定式のスタンドの装着だが、これも大丈夫だった。
もちろんスタンドの種類にもよるだろうが、アジャスタブルスタンドのクイックレバー付近は大きなスペースがあり、スタンドの支えもにセットできる。
僕の使っている固定式スタンドは後方から1本のフレームで支えるタイプ。
これだと、アジャスタブルスタンドを下げた状態なら、装着が可能だった。
ちなみに僕の自転車のクイックレバーは旧式だが、レバーの固定時の向きに制約が生まれるが、装着には問題ない。

さて、最後に気になったのは、チェーンステーに固定しているスタンドの部分。
挟んで固定しているので、どうしてもチェーンステーに傷が入る。
どうしても傷が気になるのなら、チェーンステーにガードや分厚いシールを貼っておくのが良いかと思います。
そして、取り外しするときは、挟み込む部分をアーレンキーで開放してから外した方がキズはつきにくいです。

さあ、これで思いっきり街乗りも楽しめる仕様の自転車になった。
熱くなる前に、いろいろ出かけたいのだが、雨はなかなか止んでくれない・・・

2008年5月12日 (月)

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四万十川サイクリング 【高知・自転車・ファミリー】

先日参加した、「カヌー館」での四万十川キャンプオフ
その中日は各自好きなように行動。我が家は四万十川を自転車で下るサイクリング。
とはいえ、朝からゲーム大会などで楽しみ、出発はかなりゆっくり。
行ければ四万十川最下流の沈下橋である「佐田沈下橋」まで行きたかったがどうやら無理のようだ。
ゆっくりと行けるところまでのんびり行くツーリングに予定を変更する。

ちなみに、このキャンプ場から上流に行くか、下流に行くかサイクリングする人は悩むところだと思う。
しかし僕は下流に下るコースをお勧めする。
上流に行くと川幅は狭まり、鉄道が四万十川沿いを走るので、町がある程度栄えている。
それに比べ、下流は鉄道はなく、道路整備も遅れていて、自然がまだ色濃く残る。
川幅も広く、屋形船などが川面を走る。四万十川らしい風景はここから下流に多く残っているのだ。
ゴールデンウィークのカヌー館キャンプ場
ゴールデンウィークでにぎわうカヌー館のキャンプ場を見下ろす橋を渡り、国道441号線へ。
橋のスロープを降りたところすぐにスーパーマーケットがある。
飲み物やお弁当はここで買い出ししておく。ここから下流、勝間沈下橋まではコンビニもスーパーもない。
地元の小さな雑貨店はあるが、休日なら閉まっている可能性も高い。
また、飲食店も小さな個人経営の店程度が数軒しかない。
自転車で走る四万十川
スーパーで買い出しをしたら、そのまま国道を南下する。
四万十の美しい風景を見下ろしながらのサイクリングは最高に気持ちいい。
ここからしばらく2車線の道が続くので、車には注意が必要。
コースは全般的にアップダウンは少ない。
四万十川は緩やかな流れなので、下流に向かっても下りは少ない。フラットなコースだと考えてもよい。
蛇行する四万十川
悠久の四万十川の流れ。
この風景を見ながら人力で風を切る。ゆっくりと流れる風景はとても気持ちいい。
自転車ならではの、四万十川の楽しみ方だ。

しばらく行くと、その赤さが目立つ「津大橋」が四万十川に架かっている。
この橋を渡って、四万十川の左岸(下流を向いて左側)をずっと下っていくことになる。
その橋を渡る手前に小さな食堂がある。
「いわき食堂」というのだが、四万十川を見下ろす店内からの眺めは最高。
四万十の幸を使った料理がメニューに並ぶ人気のお店。
今回は寄らないか、機会があれば一度寄ってみたいお店だ。

橋を渡った後、道路の幅は狭まり、所々1車線の区間も多くなる。
車とのすれ違いもままならない狭路も。しかもブラインドカープも連続する。
自転車の運転は十分に注意して進みたい。
折しも、走行したゴールデンウィークは走る車も多く、離合渋滞が所々で発生。
車の列の中で、自転車も動けずに待つような場面もしばしばあった。

さて、しばらく南下すると、目の前に四万十川に架かる沈下橋が見えてくる。
「岩間沈下橋」だ。
国道から細い道を下ると、道は沈下橋につながっている。
やはり自転車でここに来たら、沈下橋は渡っておきたい。
岩間沈下橋
岩間沈下橋を渡ったところで振り返る。
四万十川を代表する風景はとてものどかで美しい。
このまま進むのはもったいない。河原に降りれるので、自転車を置いて河原で休憩。
岩間沈下橋を渡る車
沈下橋は今でも地元住民の足。もちろん車でも渡ることができる。
次々と観光客の車が四万十川にかかる沈下橋を渡っていく。
しかし、写真を見ていただいたらわかるように、沈下橋の幅はせまく、欄干はない。
おまけに水面からの高さもなかなかのものだ。
ここでハンドルを握るのは、なかなか緊張する。
しかし、自転車でこの上を駆け抜けるのも、かなりのスリルがあって楽しかった。
四万十川と岩間沈下橋
河原から見上げる岩間沈下橋。
その美しい日本の原風景に思わず長居してしまう。

さあ、腰が重くなる前に出発しよう。
沈下橋を渡った川の右岸にも道は続いている。
しかし、右岸の道はせまく曲がりくねっていて、アップダウンも激しい。
おまけに四万十川の眺望もよろしくない。自転車で走るにはお勧めできない。
いったん沈下橋を渡りなおして国道に戻り、国道を再び南下する。

ちなみに岩間沈下橋を出発して、国道が2車線から1車線に縮まる少し手前の場所で沈下橋を振り返ってみよう。
よくポスターなどで使われる有名な風景がここから拝むことができる。
四万十川と沈下橋が一体になった美しい風景だ。
ここには路肩がないので車の駐車は難しい。自転車なら気兼ねなく停車できる。

さて、岩間から次の沈下橋の口屋内までも、今までと同じような道が続く。
時々2車線になるも、基本狭い道。
走り続け、民家が国道沿いに肩を並べる集落に入ると、口屋内沈下橋に到着だ。
口屋内沈下橋
口屋内沈下橋。ここも自転車・車で渡ることができる。
河原は広くなっていて、車も道から簡単に侵入できることから、カヌーのピックアップやキャンプをする人も多い。
この橋を渡って道を少し行くと、田園の中に1本の川が流れている。
これは四万十川の支流「黒尊川」
その水の美しさは四万十支流随一で6月にはホタルが乱舞する。
美しい川の流れを見に、少し走るのも良い。
国道への復帰は、少し南にある立派な「口屋内大橋」から。
この橋は四万十川の流れを見下ろすことができる、絶好のビューポイントでもある。
四万十川の風景
口屋内沈下橋から下流の道も良く似た道が続く。
所々、トンネルや橋の工事が行われていて、道の改良が進められている。
余談ではあるが、カヌー館のあるキャンプ場から上流の四万十川に並走する国道はすべて2車線化が終了した。
そのため、サイクリングでは下流に比べるとやや面白みに欠ける。
下流も道路工事が進んでいる。便利になるのは良いが、やはりこの川を楽しむには川が育んだ自然に直に触れる道であってほしい。
勝間沈下橋
勝間沈下橋手前の久保川休憩所でお弁当を食べる。
四万十川沿いには「休憩所」と呼ばれるパーキングが何箇所もある。
どの休憩所もトイレと東屋が完備されており、四万十川を見下ろすことができる。
特に久保川休憩所は東屋が広くて立派で、トイレもきれい。

お昼を取ったら、もう少し走って「勝間沈下橋」に到着。【勝間沈下橋の詳細はこちら】
天気も悪くなり、時間的にここで折り返すのがベストと判断。
しばらく川岸で沈下橋のある風景を楽しんだら、キャンプ場へと引き返す。

帰り道は上流へ向かうとはいえ、四万十川の緩やかな流れのため、全く高低差を感じない。
天気が悪くなり、目を引くものがなくなったので、約1時間半弱でキャンプ場に戻ってきた。
ちなみに行きは休憩や沈下橋観光などすべて含めて3時間。
ゆっくり走って沈下橋を楽しんで、往復5時間・約45kmのサイクリングでした。

キャンプ場に帰ったら、歩いて5分の所に温泉が2つもあるので、ゆっくり汗を流せます。
四万十川サイクリング地図

参考情報 KUMA.の四万十川下流サイクリング・上流ドライブ

2008年5月10日 (土)

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四万十川・勝間沈下橋 【高知・サイクリング・ファミリー】

沈下橋。四万十川を代表する風景は、川沿いを走れば、何度も出会うことができる。
四万十川本流には21本の保存対象の沈下橋がある。
今回自転車に乗って、サイクリングで訪れたのは、下流から4本目の沈下橋である「勝間沈下橋」だ。
国道441号線から見下ろす勝間沈下橋
四万十川の下流域らしく、とても広い河原を有する。
その中を細い道が沈下橋をつなげている。
この広い河原では車を乗り入れてキャンプやカヌーのピックアップを楽しむ人も多い。
が、スタックしてJAFに救助を受けている車もいた。
河原への車の乗り入れは十分注意しないといけない。
ちなみにこの橋の下流部分は、キャンプ場として利用できるそうだ。(有料・大川観光)
勝間沈下橋を渡る
さあ、沈下橋を渡ろう。
沈下橋は観光資源でもあるが、地元大切な足でもある。
当然ながら、ここを車で行き来することができる。
離合は怖くてとてもできそうにないし、欄干がないので川面がとても高く、しかし近く感じる。
でも自転車や車でここを渡るのはとても気持ちが良い。
勝間沈下橋は、他の沈下橋に比べると、多少幅が広い。
車の運転が苦手だが、何とか渡ってみたい人は、ここでチャレンジするのが良いかと思います。
勝間沈下橋から見た上流とカヌー
四万十川はカヌー天国。
特にゴールデンウィークは全国から多くのカヌーイストがこの川に集まる。
沈下橋で川を眺めていると、次々に色鮮やかなカヌーが上流から下ってくる。
悠久な流れに乗って雄大な四万十の風景を旅するカヌーはとても気持ちよさそうだ。
勝間沈下橋からみた下流と屋形船
四万十川には屋形船も運航している。
船乗り場は四万十川の下流域に何箇所かあり、いくつかの会社が営業している。
中には食事を用意してくれたり、伝統の川の漁を披露してくれたりするサービスもあるそうだ。
これも四万十川の名物だ。
勝間沈下橋
沈下橋とは、その名前のとおり、橋自体を流されないように増水時には水の中に沈むように設計されている。
そのため、潜水時の水の抵抗を減らし、流木等の被害を軽減する為、欄干は作られていない。
この橋の上を行くと、とても川面が近く感じる。
勝間橋の橋の下の川の水深は深い。
夏になると、ここから多くの子供や大人が、四万十川への「飛び込み」を楽しむ。
釣りバカ日誌14のロケ地
この勝間橋を有名にしたのは、映画「釣りバカ日誌」
シリーズ14弾のロケはこの沈下橋で行われたそうだ。
勝間沈下橋を振り返る
勝間沈下橋の対岸から振り返る。広い川幅と河原がとっても気持ちいい。
下流になればなるほど、沈下橋の長さも当然のことながら長くなり、四万十川らしい風景になる。
江川崎から佐田沈下橋までは、四万十川が一番四万十川らしい顔をしている区間。
この勝間沈下橋も、その美しい四万十を代表する風景であった。

2008年3月26日 (水)

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夕やけこやけラインサイクリング・復路 【愛媛・サイクリング・ファミリー】

長浜大橋をゆっくりと見学したら、元来た道を戻り始める。
時刻は17時だ。こんな時間にサイクリングの折り返し地点にいることは普通ならば非常識である。
しかし、このルートではこれが王道。この時間がこの「夕やけこやけライン」の一番美しい時間でもある。
ゆっくりと海に傾いていく太陽を今度は背負って、東へと自転車を走らせる。
長浜・菜の花の線路
菜の花の中を走り抜ける線路。
金色の菜の花の海を切り裂いて進む鉄道の旅は、とても気持ちがよさそうだ。
まるで太陽を運ぶために作られたかのように、太陽はこのレールに沿って西の海へと遠ざかっていく。
長浜工業地帯の原野
長浜の工業団地の一角。
誘致に失敗したのだろうか、広大な更地が原野のように広がっている。
まるで北海道を思わせる風景である。
夕日に照らされたこの海辺の原野には、どこか哀愁が漂う。
夕方のJR予讃線
海沿いに東へ向かっていく線路。
菜の花の中に横たわるそれは、旅情に満ち溢れている。
線路沿いに自転車も菜の花の香満ちる風の中を、夕日に照らされながら走っていく。
菜の花・道路・海
土手の上を走る線路から、色を眩しく深めた菜の花がなだれ落ちるように道路に迫る。
そして、青い海は輝きを増しながら、道路へと波を打ち寄せている。
夕陽の中、海と菜の花に囲まれた道を走るのはとても気持ちいい。
見るものすべてが、オレンジ色を帯びて、暖かく感じる。
輝く海と夕やけこやけライン
どんどん夕日が傾いていく。
空は赤く染まり、海はきらきらと眩しく輝く。
水平線と太陽が近づくこの時間、この道を走るのはとにかく楽しい。
車、バイク、自転車。ジョギングでもこの風景の中を走り抜ける人も多い。
美しい輝きの世界の中で、夕日に染まった風を切るのは最高だ。
瀬戸内海に沈む夕日
夕日がかなり水平線に近づき、あたりを真っ赤に染め始めた。
日没はもうすぐだ。
本当なら車を停めた道の駅でゆっくりと水平線に沈む太陽を眺めたかったが、少し間に合いそうにない。
しかし慌てることはない。
ずっと海沿いを走るこの夕やけこやけライン、その気になればどこででも自転車を停めて沈む太陽を見送れる。
双海町・夕日が立ち止まる町
さあ、もう日没だ。自転車を少し停めて、道路の向こうの海辺へと歩を進める。
ゆっくりと水平線に沈んでいく太陽。
ちなみにここ、伊予市双海町では冬場はよくだるま夕日が見ることができる。
残念ながら今日の夕日はだるまにはなっていない。
それでも、美しすぎる夕日だ。太陽が水平線に溶けていく。
双海の黄昏時
ゆっくりと沈む太陽と、太陽に染められた空が織りなす美しい空間。
1日の終わりとはかくも美しいものだったのかと改めて思い知らされる。
ゆっくりと尾を引きながら流れていく飛行機雲。
黄昏色の空の広がりは、悠久の時間の流れすら感じられる。
それは今日はいい1日だったと、余韻に浸れる時間でもあった。
夕やけこやけラインの地図

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2008年3月20日 (木)

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長浜大橋・日本最古の現役道路可動橋 【愛媛・サイクリング・ファミリー】

長浜大橋・東より
「夕やけこやけライン」で伊予長浜を訪れたら、訪れてみたい場所はここ。
「長浜大橋」だ。
橋長226m、愛媛一の河川、「肱川」の河口にかかる赤がまぶしい立派な橋だ。
昭和10年に完成した歴史ある鉄橋だが、この橋は日本最古のある特徴をもった橋である。
この橋は現役のものとしては、日本で最も古いバスキュール式(跳ね上げ式)の道路可動橋である。
橋の中心部が跳ね上がり、その下に船舶を通すことができる。
長浜大橋より望む肱川上流
長浜大橋から望む肱川上流方面。
深い山々を割り、ゆっくりと流れる悠久の大河。
愛媛県最大の大河の河口にも関わらず、町は大きく発展していない。
そのため、付近には豊かな自然が残っている。
日本ではなかなか見られない、どこか懐かしく、それでいて新鮮な風景だ。
レトロを感じる長浜大橋
どこかレトロな雰囲気を残す鉄橋。
建造から75年近く経過してもなお、今も地元の人からは「赤橋」と呼ばれて親しまれている。
長浜大橋稼働部分
ここが可動橋の稼働部分。道路がここから跳ね上げられる。
白い建物は操作室。
残念ながら現在の橋の稼働は、点検を兼ねて日曜日の13時から週に1回行われるだけである。

昔はここ伊予長浜は、この肱川を下ってくる木材などの集積地としてとても栄えていた。
上流には伊予の小京都と呼ばれる城下町の大洲があり、その交流で愛媛の中でも有数の規模を誇った町だったそうだ。
しかし、そしてこの肱川沿いに鉄道が敷かれ、陸運が発達するとこの橋の役目は終わった。
当時は頻繁に跳ね上がり船を通していたこの橋の機能も、今では通過する大きな船はなくなり、不要となっている。
それでも現在のこの橋は時々跳ね上がり、そして冬には「肱川あらし」の中に浮かんで、多くの人をこの町に人を呼ぶ目玉として機能している。
長浜大橋から望む新長浜大橋
長浜大橋から海の方を眺めると、コンクリート製の立派な橋がかかっている。
橋長333mの「新長浜大橋」である。
夕やけこやけライン、国道378号線はあちらの橋を渡り、夕日を追うようにさらに西を目指す。
この肱川を渡る橋としての役目は、今はあの新しい橋が担っている。
長浜大橋と長浜商店街
地元の商店街に直結する長浜大橋。
「新」長浜大橋がかかっても、こちらは地元の足として、今も多くの人と車が行き交う。
幅は5.5mあるので橋上での離合は何とかできるが、入口はポールを立てていて大型車が入れないようにしている。
ポールの幅は2mくらいなので、普通車なら少し気をつければ難なく通り過ぎられる。
車で訪れたのなら、一度はここを走ってみたい。

また、長浜商店街はどこか懐かしい雰囲気の通り。
少し歩いてみると、昔は賑やかだった面影を残す、静かな港町の旅情を感じることができる。
長浜大橋・西側より
肱川の上流の大きな町は大洲市と西予市があるが、いずれも人口5万人程の町。
しかも平成の大合併で相当広い市になっているので、流域にある町の規模はさほど大きくない。
そのため、肱川の流れもここ下流までも美しく豊かな自然が残っている。
流れる川をのぞきこむと、すきとおった水の中にはいっぱいの魚が泳いでいる。
色濃く残る自然と歴史を感じる、美しい場所だった。

【長浜大橋】
■My評価(5段階)
★★★☆(3.5)

場所: 愛媛県大洲市長浜
料金: 無料
駐車場: 橋の東側に駐車スペースあり(3台ほど)
交通: 松山自動車道・伊予ICより国道378号線を約30分
     松山自動車道・大洲ICより県道24号線を約20分
    JR予讃線伊予長浜駅より徒歩約10分
橋の開閉: 毎日曜日13時

長浜大橋の地図

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2008年3月18日 (火)

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夕やけこやけラインサイクリング・往路 【愛媛・サイクリング・ファミリー】

何度かこのブログでも紹介している、国道378号線。「夕やけこやけライン」の愛称を持つこの道路。
海と夕日が楽しめる最高のドライブルートではあるが、実はサイクリングも楽しめる。
愛媛でのサイクリングルートといえば、やはり「しまなみ海道」がダントツではあるが、その次にはこのルートがおすすめ。

特にここ夕やけこやけラインのおすすめの時期は3月。
青い海と美しい夕日はもちろん、古い時代のローカル線が並走するこの路線には旅情が強く感じられる。
そして、3月には一面の菜の花が、その風景にその名の通り、花を添えてくれる。
花粉症の方にはつらい時期だが、そのつらさをも忘れさせる素敵な風景が、この道沿いに待つ。
アップダウンも少なく、自転車用の通行スペースがほぼ全行程、分離して作られている。
風景を楽しみながら快走できるルートでもある。
ふたみシーサイド公園のたこ焼き
出発は「道の駅ふたみ」
ここに車をとめ、搭載していた自転車を下ろす。サイクリング中はここに車を置かせていただく。
出発したい気持ちを抑えながら、まずはお昼の腹ごしらえ。
道の駅に隣接する「ふたみシーサイド公園」には売店やじゃこ天、たこ焼きなどの特産の海産物のお店がある。
特におすすめは「たこ焼き」
大きなタコが入った、とっても大きくておいしいたこ焼き。これが350円なのは安い。
夏には人気海水浴場になる、白い砂のビーチで頂くととても気持ちよくて、おいしい。

さて、腹ごしらえしたら出発。時間は13時過ぎである。
遅すぎる?
いいえ、そんなことはないのです。
このルートでのサイクリングではちょうどいい。
行きは青空、帰りは夕日。
同じ道を往復するルートだが、行きと帰りではその風景は全く違うものになるのだ。
予讃線の土手を覆い尽くす菜の花
意気揚々と自転車に乗って出発するが、ものの5分もしないうちに出鼻をくじかれる。
それは道路わき一面の斜面に広がる眩しい金色に輝く絨毯。
菜の花が土手一面に咲き乱れているのだ。
この風景を見て、素通りできる自転車乗りはいないだろう。
こんな景色を見つけても、すぐに立ち寄れるのが自転車の魅力。
菜の花と青空と月
菜の花畑の上に浮かぶ月が、とても幻想的で美しい。
ここはどこか遠い国の物語の風景かと思ってしまう。

菜の花畑の上に魅入られた人々を導くように1本の道が続いている。
忙しく飛び回るミツバチの羽音と、青い海が奏でるさざなみ。花の香と潮の香り。
美しいものが複雑に絡み合って五感に訴える道をゆっくりと登っていく。
菜の花の中を行く汽車
この土手の上は、JR予讃線の線路になっている。
予讃線は伊予市から大洲市へ向かう路線は2つある。
山の中を走る特急の通る新線と、海沿いを走る昔ながらのローカルな旧線。
この夕やけこやけラインを並走するのは、旅情あふれる昔ながらの旧線である。

この線路は海を眺めながら走る路線として、鉄道ファンの間では人気が高い。
特にこの時期は、菜の花の色どりが添えられるので、その人気度はピークになる。

ちょうど土手に上がった時に、ローカルな汽車が通り過ぎた。とても旅情あふれる風景だ。
この菜の花は地元住民が植えたと聞いたことがある。
当初はJRも困惑していたそうだが、今となっては旅客を呼び込む一つの目玉になっている。

【この場所は三島神社入口横】

海沿いを走る夕やけこやけライン
さて、菜の花と鉄道の風景を堪能したら、青い海を右にずっと眺めながら、快適な道を走って行こう。
海に青く染められた風を切りながら走るのはとても快適だ。

今日の目的地は「伊予長浜駅」
道の駅からは約17kmだ。その気になれば1時間もあればたどり着くルート。
だが、この時期は絶対に1時間でたどり着くことはできない。
それは美しい風景がいたるところに転がっていて、自転車を先に進めさせてくれない。
菜の花の土手
ほら、ちょっと走ったら、また美しい菜の花の土手が・・・
ここは車を停める路肩があるので、ドライブがてら多くの人が立ち寄っている。
ドライブがてら寄る菜の花の土手としては、一番美しい場所だろう。

【この場所は閏住バス停前、「くじら」というたこ焼き屋横】

青空と菜の花の土手
菜の花に包まれた土手が青空に覆いかぶさる。
とても気持ちのいい風景。深呼吸すると、潮と花の香りが混ざり合い、肺胞のひとつひとつにしみわたる。
ここには記念撮影を撮るお立ち台があり、子供連れの家族でもにぎわう。
菜の花に包まれて写真を撮る若い女性の姿も絶えない。その女性の美しさにも目をひかれる。
菜の花と夕やけこやけライン
海の青、菜の花の黄色の間を貫くのが、ゆうやけこやけライン。
ここを一陣の風となって、走り抜けていくのはとても気持ちいい。
僕たち以外にも自転車乗り、そしてバイク乗りが何人も何人も、風となってここを通りぬけて行った。
そして、列車はこの青と黄色を見下ろしながら、この菜の花畑の上をゆっくりと走っていく。
青い瀬戸内海
道路の向こうに横たわる海をのぞくと、その青さと透明度には驚かされる。
本州と四国に囲まれた瀬戸内海はとても波穏やか。
海の色からも春の訪れを感じる。

そんな海を横目にずっと走っていくが、少しここで寄り道をしよう。
途中、「下灘駅」と書かれた看板を見つけたら、それに従って細い道に入る。
線路をくぐり、ゆっくり坂道を登ると「下灘駅」にたどり着く。
下灘駅1
駅舎の中に入ると、そこから見える風景には、驚かされる。
海を背にした駅は、とても美しい。
この風景は数年前、「青春18きっぷ」のポスターになった風景だ。
下灘駅2
この駅は「海にいちばん近い駅」と称され、鉄道ファンの間では絶対的な人気を誇っている。
なるほど、こうやって見ると、とんでもなく素晴らしいロケーションである。
電車を待ちながら、穏やかなさざ波の音と香りが感じられる。

実際この駅を訪れる人は少なくない。
車で立ち寄ったり、電車旅で途中下車したり。
実際に立ち寄った時に電車が入ってきた。そこから立ち去った旅人、そして新しく立ち降りた旅人。
立ち降りた旅人はすぐにカメラを取り出し、この美しい風景と去っていく先ほどまで乗っていた電車の姿をすばやくカメラに収めていた。
下灘駅3
海を望む駅のベンチ。
ここに座っているだけでもとても気持ちがい。
実際にここでたそがれる旅人や地元の人の姿をよく見る。

この駅はそのロケーションの良さからテレビや映画、ポスターのロケ地としてよく使われる。
最近ではテレビドラマのHEROのロケで使われた。
ここにキムタクと綾瀬はるかが来ていたと思うと、ちょっとびっくりだ。

【下灘駅】
■My評価(5段階)
★★★★★(5.0)
場所 愛媛県伊予市
交通 JR予讃線、下灘駅下車すぐ
    松山自動車道・伊予ICより国道378号線を約20分
駐車場 なし(路肩に3,4台一時駐車可能)


予讃線の鉄橋
予讃線の下灘から伊予長浜までの路線が開通したのは昭和10年。
この道を走るとわかるのだが、海岸線に迫る山々を切り通したり橋をかけて線路は走っている。
所々に歴史を感じる鉄橋や暗渠が残っている。
時々国道から外れて集落の中に入ってみると、懐かしいレトロな風景に出会える。
快適なサイクリングロード
道は常に海沿いを走る。
海を堤防で固めて、その上にこの「夕やけこやけライン」を作ったといえる。
それだけに常に海を感じられる最高の道が続く。

大洲市に入り、長浜の工業団地が見えてきたころ、土手や山の中腹を走っていた線路が道路に寄り添ってくる。
しかも黄色い菜の花の衣をまとって。
この辺りは、菜の花と線路と海の距離が一番縮まる場所である。
菜の花に包まれたレール
菜の花に包まれたレール。
海と菜の花に包まれた汽車の旅はどんなに快適か、この風景を見ているだけでもその気になってくる。
ここからしばらくは菜の花覆うレールと並んで自転車を走らせる。
菜の花が海と並んだり、踏切を覆ったりする度、その風景に目を何度も奪われる。

この先、広大な工業団地に入ると、サイクリング用の走行レーンは終了する。
ダンプなどの往来が多いので路肩走行には気をつける。
今まで走った山側とは逆の海側に歩道兼自転車道があるので、危険を感じるならそちらへ渡ろう。
工業団地を抜け、長浜の町に入る前にローソンがある。
このルートではコンビニはこの1軒のみだ。必要があるならここで買い物を済ませる。
伊予長浜駅
長浜の町に入り、ややすると伊予長浜駅に到着する。
この時期は早咲きの桜(だと思う)に囲まれてとてもいい雰囲気になっている。
桜が咲く3月末のサイクリングは、菜の花の黄色に桜のピンクが織り交ぜられてさらに美しい色になりそうだ。
駅舎の中もいい味を出しているので、待合室で休憩させていただくのもいいかもしれない。
伊予長浜駅到着は16時。
菜の花と青空に誘われてとてもゆっくりとしたサイクリングだった。

さて、長浜といえば「長浜大橋」が有名である。
駅から自転車で5分。散策がてら、このまま向ってみることにする。

【次は長浜大橋へ向かいます】

サイクリングルート図

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2008年3月15日 (土)

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ゆうやけこやけラインへサイクリングに行きましたが・・・ 【愛媛県・サイクリング・ファミリー】


どうもKUMA.です。
本日は愛媛屈指のドライブルートのゆうやけこやけラインにサイクリングに行きました。
ここにはサイクリングロードもつくられていて、とても自転車旅も快適なんです。

満開の菜の花、青い海、青い空、鉄道、そして夕日・・・
最高の1日でした。
が、花粉症患者がこの時期こんなに長い時間、外出すべきではない・・・
目が痛い!
PCの画面が見れません。
よって今日は、「行ってきました」の報告だけです。

いい風景がいっぱい撮れました。
後日のレポートをお楽しみにください♪

▽▲おまけ▼△
これは2月末のゆうやけこやけラインの夕日です

2008年2月28日 (木)

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小笠原旅行記19・旭平展望台 【東京都・島旅・ファミリー】

東京へと旅立つ「おがさわら丸」が見えなくなったら、再び自転車を走らせる。
登りと違い、あっという間に自転車は街に戻ってきた。
さて、ここからどうしようと思っていると、また携帯電話が鳴った。
今度は小笠原に到着したときから会おうと連絡を取り合っていた知人である。

彼の名は「ばっぷ」さん。
彼とはネットで知り合ったのだが、知り合った時に住んでいたのはなんとニューカレドニア。
その後この小笠原に移り住んだのだが、ついに実際に会える機会がやってきた。
なんとも不思議な出会いである。

「おがさわら丸」の荷役作業に従事していたが、船が出港したので仕事は終了。
知人から車を借りたので、今日は1日島の中を案内してくれるという。
なんというありがたい申し出だ。
妻に自転車を宿に返却しに行ってもらい、僕は町にレンタサイクルを返却した後にばっぷさんと落ちあうことにした。

が、ばっぷさんを待っているともう一人の知人、シンガーソングライターの千葉太郎氏から電話が。
どうも今日は会えそうにないという。こちらもばっぷさんと1日行動することになったので、また会おうと電話を切る。
が、電話が終わらないうちに軽バンが僕の前に止まった。
ばっぷさんだ。

ついにばっぷさんと初の対面。
初の対面とはいえ、彼は自分のホームページにある程度の写真を載せているので、その風貌は大体知っていた。
それでも「いつか逢いましょう」と言い続けて2年近く。
お互い固く握手をして、初対面を祝う。

さて、このばっぷさん、島では荷役などの仕事に従事しているが、もう一つの顔を持っている。
著書に「ニューカレドニアで逢いましょう(文芸社)」を持つ作家なのである。
もちろん、印税だけで食べられないと、島でいろいろ仕事をしているそうだが。

仕事あがりということもあり、作業服姿のばっぷさんは見た目は工事現場のオジサマである。
とてもひげ面に作業服がよく似合う。
しかし、その正体は、フランス語ペラペラで、美しい日本語を操る文才なのである。
そして農耕と釣りでロハスな生活を楽しむナチュラリストなのでもある。

さて、妻とも宿で合流し、ここから車で父島の山の上に連れて行ってくれる。
父島の中央には標高300mほどの山々がそびえ、それらを結ぶように道路が走っている。
「夜明道路」と呼ばれるこの道路、小笠原の深いジャングルを身近に楽しめ、青い海を見下ろせるとあり行ってみたいと思っていた。
しかし、この道路を登るにはママチャリではきつい。車やレンタバイクなどが必要なのだが、あまりものレンタル料の高さに諦めていたところだ。
ばっぷさんが案内してくれるのはとてもありがたかった。
夜明道路
▲夜明道路

宿泊する「サンライズ奥村」のからすぐの所に、この夜明道路の入口がある。
九十九折りに道を登っていくと、青い海がどんどん下に広がっていき、山が近くなってくる。
そして道は山の稜線に出たのか、島の東側の海を見下ろせるようになったところでばっぷさんは車を止める。
ここが「旭平展望台」とのことだ。
兄島瀬戸
旭平展望台は道路脇にあり、車をとめる場所と見渡しのいいスペースがあるだけだ。
しかし、ここからの展望はとても素晴らしい。
左下に見えるのは、ここ父島の断崖絶壁。
そして向こうに見えるのは兄島である。
兄島には人は住んでおらず、手つかずの自然が残っているのがここから見てもよくわかる。
兄島と父島の間の海は「兄島瀬戸」と呼ばれ、常に早い潮が流れている。
そのためか、この周辺の海はとてもきれいだと聞く。

実は、あの向こうの兄島に空港を造り、この瀬戸に大きな橋を架ける計画があった。
今は撤回されたが、この風景を見ていると、さすがにあの島に空港は造ってほしくないと思わざるを得なかった。
旭平展望台から見下ろす長崎
崖下の「長崎」という岬を見下ろす。海はとても青く透き通っている。
天気はいまいちで、連日の時化で海が荒れていてもこの透明度だ。
小笠原の海の美しさを改めて感じる。
しかしこの父島の岩肌はどこも赤茶色い。
小笠原の島々は海底火山の噴火でできた火山島。そのことが崖を見ているだけでもよくわかる。

またここ旭平展望台は初日の出の名所。
写真にはないが、ローソク岩という切り立った岩があり、そのローソク岩に初日の出をともした姿を拝むカヤックツアーがあるそうだ。
ばっぷさんもそのツアーに参加したことがあるという。
小笠原の自然の美しさを感じた場所だった。
地図
【旭平展望台】
■My評価(5段階)
★★★☆(3.5)

場所:東京都小笠原村父島
交通:二見港より車で約15分
駐車場:有り(約5台)

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2008年2月26日 (火)

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小笠原旅行記18・おがさわら丸見送り 【東京都・島旅・ファミリー】

ウェザーステーションでレンブラントの光差し込む小笠原の青い海を楽しんだら、町へと向かって自転車で駆け降りる。
必死に自転車を押してきた道。帰りはとても快適だ。
いや、快適というよりも怖い。急坂を下る自転車は断末魔のようなブレーキ音をジャングルの中に響かせる。
しかし、その甲高いブレーキ音を切り裂いて響く太く低い音が島中に響き渡った。
それは何かすぐにわかった。「おがさわら丸」の汽笛だ。
東京から僕たちを父島に連れてきてくれて、昨日の宿になったおがさわら丸。
そのおがさわら丸が今日、東京に向けて出発するのだ。

確か道の途中に町を見下ろせる展望の良い場所があったはずだ。
そこめがけて自転車を走らせる。

その「展望の良い場所」に到着した。
間に合った。おがさわら丸はちょうどいま、フェリーターミナルを離れたところだ。

ゆっくりと青い海へと進んでいくおがさわら丸。
港からは太鼓をドンドコドンドコ叩く音が聞こえる。
小笠原の多くの住民が壮大に出港するおがさわら丸を見送っている。
船上からも旅人たちが手を振り、小笠原との別れを惜しんでいるのがここからでもはっきりとわかる。

北海道の島などにも同じように出発するフェリーを派手に見送ってくれる場所が今もある。
しかし、その見送りは一部の有志の青年たちであることが多い。
小笠原は桁が違う。多くの島の人たちが見送りに来てくれるのだ。
これは、おがさわら丸が本渡を結ぶほぼ唯一の船であり、島民の大切なパイプであるからだろう。
そして何より、この船が運ぶ観光客は、観光産業が大きな収入源である島にとって大切な存在なのだろう。

また島に来てほしい。
そう旅人たちに望む熱い気持ちは、感動の姿になって伝わる。
巨大なおがさわら丸の周りを取り囲むのは港湾関係のタグボートや警備船ではない。
これはすべて、ツアー会社が所有する船だ。
おがさわらに訪れる旅人の多くはダイビングやホエールウォッチングでツアー会社の船にお世話になる。
そして、ツアーに参加した人を、ツアー会社は船を出して、港の外まで並走して見送るのだ。
そのため、小笠原のツアーの予定表を見ると、おがさわら丸の出港日の午後(出港時刻)にはツアーは開催されない。
この見送りにツアー会社が船をからなのだろう。

ツアー会社の船の上ではスタッフや居残りの常連さんなどが大きく手をふりながらおがさわら丸を追いかけていく。
船の上では陽気な若者ががさまざまなパフォーマンスを楽しませてくれている。

こうして、険しい山に囲まれて青い水をたたえる天然の良港の二見港からおがさわら丸はゆっくりと姿を消した。
これが小笠原旅行の醍醐味のひとつ。島を出る時は本当に感動で、また来たくなるらしい。
数日後、東京から戻ってきたこの船の姿を見るときは、今度は僕があの船に乗る番。
その時はどんなドラマが待っているのだろう。
まだ帰りたくはないが、その時が楽しみにすら思える、南の島の感動のシーンだった。

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2008年2月24日 (日)

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小笠原旅行記17・三日月山展望台(ウェザーステーション)【東京都・島旅・ファミリー】

大村第二砲台跡を出発すれば、この道の終着点である「三日月山展望台」はもうすぐだ。
最後は坂道が緩やかになったので、せっかくなので自転車を漕いで登っていく。
しかし、携帯電話が鳴り始めたため、あえなく降車。
電話の相手は、知人のシンガーソングライターの「千葉太郎」氏。
彼は僕よりも1本早い「おがさわら丸」でこの小笠原入りして、休暇を満喫している。
彼とは北海道旅行中に知り合った。偶然、彼のブログで彼も小笠原に行くことを知ったので、会おうということになっていた。
しかし、ブログの交流があるとはいえ、会うのは本当に数年ぶりだ。
久々に聞くその声は、電話越しでも相変わらず大きい。ミュージシャンらしい、いい声だと改めて思った。

彼は母島から今日、父島に戻ってきたそうだ。
僕は今山に登っているので、町に戻ったら会えたら会おうと電話を終えた。
歩きながら話していると、道は終わりを告げていた。
三日月山展望台
道の終着点には立派な屋根つきの展望台。
ここが「三日月山展望台」、通称「ウェザーステーション
父島の西側の海を一望できる絶好のポイントだ。
ここは水平線に沈む夕日が美しい場所として、とても有名である。

ウッドデッキが敷き詰められた展望台はとてもきれいで立派。
展望案内図も備え付けられている。
正直、本土にもこんな立派な展望台は数少ない。少し驚きである。
ベンチもあるので、天気が良ければここで読書などして気ままに時間を過ごすなんて贅沢もできそうだ。