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白馬乗鞍岳登山(1) 栂池自然園~天狗原 【長野・登山・ファミリー】
栂池パノラマウェイで、ゴンドラリフトとロープウェイを乗り継いでたどり着いた場所。
それが「栂池自然園」
遅くまで雪を頂いた白馬連峰の麓に抱かれた、一面の高層湿原だ。
夏場に栂池パノラマウェイに乗る人のほとんどが、この栂池自然園を目指す。
自然園の入口にはビジターセンターや「村営栂池山荘」「栂池ヒュッテ」が並んでいる。
宿泊はもちろん、食事や買い物もでき、自然園のトレッキングの基地となっている。
またここは、白馬岳方面への本格的登山の入口でもあり、今日僕が向うのはこちらである。
今日目指すのは、「乗鞍岳」(2436m)
日本百名山の「乗鞍岳」とは違い、それと区別するため、白馬乗鞍岳と呼ばれることも多い。
頂上は雪をまだ頂く写真右の山のピーク。
すぐそこまで雲が迫る、まさに雲の上の残雪の頂上へ向けて、登山開始。
・・・しかし、予想以上に雪が残っている。ちょっと心配。
さっそく登ろうと思ったが、ビジターセンター脇の池に咲く花に足を止められる。
水芭蕉だ。池のほとりに咲き、水鏡にその美しい姿を映した風景は幻想的。
5月、6月の信州の湿原によく見られるが、7月のこの地にまだ花を残している。
美しい花を見ながら、雪と花がまだ残る、この地の冬の厳しさを感じる。
そんなこの地に訪れたひと時の暑い夏、すべての生き物がそれを謳歌しているかの様に思えた。
ビジターセンターと公衆トイレの間に登山口の入口がある。
ここからの道は、栂池自然園のトレッキングと違い本格的な登山道。
森林限界上の稜線に出るには、遅くまで残る雪の上を歩かないといけない。
きちんとした登山装備と経験が必要な道となる。
ここからは白馬大池小屋まで約3時間半、トイレは無い。
トイレは済ませ、食糧・水など万一不足しているものがあればここで補充しておきたい。
道を少し下り、沢を越えると、道は二股に分岐している。
特に道標はないが、どう考えても左側へ登って行く道が方向的に正しいので、そちらへと進む。
しばらくは視界の効かない、うっそうとした森を登って行く。
夏場の森はとにかく暑く、すぐに汗が吹き出す。
時々登山道を横切るように小さな沢がいくつか流れている。
その付近で立ち止まると、とても涼しい風が山の上から流れ落ちてくる。しばしのクールダウン。
標高を上げていくとついに雲の中に突入した。
辺りに霧が一面に立ち込める。
しかし、空からは太陽の光が降り注いでいる。雲を抜ければ、雲上の別天地が待っているはずだ。
見下ろすと、雲の隙間から山麓がわずかに見える。
高い場所まで登ってきたと実感させてくれる風景だ。
この山域は遅くまで雪が残る。
登山道には冷たい水が所々に小さな小川となって流れている。
その水際に、鮮やかな緑が。
ワサビかと思いきや、どうやら花を落とした水芭蕉のようだ。
この後も冷たく流れる小さな川とも呼べない水の流れは次々に現れる。
そのほとりには水芭蕉やいろいろな緑が命を紡いでいた。
登山道に残る水芭蕉。
木陰で遅くまで雪が残っていたのだろう。
日が当たらない薄暗い場所に咲く、その清楚な白のコントラストがとても眩しい。
7月の中旬というのに、登山道の所々にはまだ雪が残っている。
目指す白馬乗鞍岳は、北アルプスでの中でも最も北のエリアに位置する山。
日本海の豪雪の影響で、その雪量は北アルプスの中でもかなり多い。
夏場に雪に触れ、雪の上を歩くのはとても楽しい。
雪が多くなってくると、高木は少なくなり、涼しくなってきた。
ここからまとわつくような暑さを忘れる快適な登山になるだろう。
しかし、そう思ったのは束の間。ここからは暑さよりももっと不快なものにまとわりつかれる。
大量のブヨだ。
僕が大学生の頃になるが、目指す白馬乗鞍岳の反対側、朝日岳北側山麓の北又小屋付近で大量のオロロというアブに襲われた。
脚の形が変わるくらいまで刺された(当時の山岳系サークルの服装はニッカボッカなので、足が刺されやすい)
同じ山域なので、オロロがいるのではないか?
そう思って登山前には北又小屋との標高・季節を確認したが、たぶん大丈夫だろうと読んでハーフパンツで登ってしまった。
オロロのような大きなアブは少なかったが、ブヨはとにかく多く、ずっと絡みつく。
脚はもちろん、耳の横などいっぱい刺されてしまった・・・
これがこの登山の失敗のひとつ目。
過去にあれだけ痛い目にあったのに、全く虫対策をしていなかった。
やはり遅くまで雪が残り、水が豊かな山域に入るときはブヨ対策が必要。
帽子をかぶり(出来ればつばが1周するもの)、長ズボンをはき、虫よけスプレーをする。
この対策を全てしていた妻のブヨ被害は全くと言って無かった。
横に刺しやすい僕がいたのが、一番のブヨ対策だったのかもしれないが・・・
頭上を覆っていた木々は退き、雪を乗せた白馬乗鞍岳の山肌が覆いかぶさるようにそびえるようになった。
木々は背丈の半分ほどのものしか生育していない。
ついに森林限界を超えた。
穂高などの北アルプスのメジャーエリアでの森林限界は約2600m。
しかし、この場所は緯度が高く、雪の影響が大きいため、森林限界は2100m程で訪れる。
しばらく行くと、これまでになかった大きな雪田が現れた。
遅くまで残っているようで、横切るための補助にと、雪田の上部からロープが垂らされている。
暑い夏に見る雪。見ているだけでもとても涼しく感じる。
少しずつ融け出し、今も冷たい雪解け水を流し続けている。
雪田をゆっくりと慎重に登る。
斜面はさほどきつくなく、多くの人が登るので足場はしっかり固められている。
補助のロープもあるので、ここでアイゼンを出す必要はない。
雪の上に立つと、夏の空気の中に舞いあがった雪の冷気がとても涼しく感じる。
雪田で振り返ると、山麓に広がる栂池の町並みが広がる。
同じ目の高さを雲が流れる。
雲の上の残雪の世界。ついに突入。
雪原の向こうには森林限界を超えた灌木帯が広がっている。
急な斜面は少し緩やかになってきた。
間もなく本日の第一目的地、雲上の湿原「天狗原」に到着する。
栂池自然園と白馬乗鞍岳の地図







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