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2008年8月17日 (日)

記事タイトル

安曇野ちひろ美術館 【長野・四輪・ファミリー】

安曇野の観光でどうしても妻が寄りたいとリクエストした場所。
「安曇野ちひろ美術館」
画家のいわさきちひろさんの作品を集めた美術館である。
「いわさきちひろさんって誰?」僕の質問に妻はこう答えた。
「誰か知らなくても、絶対に作品は見たことがあるよ」
安曇野ちひろ美術館
美術館の中は、とてもきれい。
まず訪れる展示室には、いわさきちひろさんの作品が所せましと並べられている。
その作品を拝見すると、確かに見たことがある。
妻の言うとおり、よく見たことがある。柔らかいタッチの優しい子供の絵。
こんなにたくさん集められているのは初めてで、ゆっくりと鑑賞した。

次の展示室に入ってびっくりしたのは、いわさきちひろさんは30年以上前に亡くなっていたこと。
現在も活躍する画家と思っていたくらい、その作品には時代を感じられない。
彼女がどのような人生を歩み、どのようにして作品を作ってきたのか。
そして、この長野でどのように自然に親しんできたのかが展示されている。

他にも世界の絵本画家の作品が集められた展示室。
様々な絵本が読める図書室がある。
僕が子供の頃に見た絵本が何冊か見つかった。
読んでいると、とても懐かしく、忘れていた記憶がいっぱい蘇ってくる。
そして、その本の1冊が、いわさきちひろさんが挿絵を担当した絵本だった。

ショップやカフェなども併設されていてとても、ゆっくりと楽しめる場所だ。
安曇野ちひろ美術館・中庭
自然豊かな安曇野に建てられた美術館。
とても緑に囲まれていて気持ちがいい。
中庭に出ると、オブジェがいくつも飾られていて、畑でラベンダーが花をいっぱい咲かせていた。
遠くには雪を頂いた北アルプス。
まるで、北海道の富良野に来たような、とっても気持ちのいい庭だった。
安曇野ちひろ美術館・公園
美術館の周りには、「安曇野ちひろ公園」が整備されている。
公園は無料で利用でき、一面の芝生と水に親しめる広場が気持ちいい。
北アルプスを背に、美しい花にあふれた花壇といくつものオブジェに囲まれた公園でも美術館の鑑賞後に少しゆっくりしたい。

この日は天気が悪く、宿のチェックイン時間が迫っていたのでゆっくりできなかったのが残念だった。
また機会があれば、もう一度今度はゆっくりと訪れたい場所となった。

【安曇野ちひろ美術館】
My評価(5段階)
★★★★(4.0)

2008年8月15日 (金)

記事タイトル

大王わさび農場・安曇野の水車風景 【長野・四輪・ファミリー】

長野県安曇野。
先日、某新聞で「定年後に移住したい田舎」の人気ナンバー1に輝いた場所。
実は僕のリタイヤ後に住みたい場所の筆頭候補でもある。
美しい北アルプスを眺め、清涼な水に満たされた場所は、とにかく気持ちの良い場所だ。
その安曇野を代表する風景の一つがここ、「大王わさび農場」である。
安曇野・水車
誰もが1度はパンフなどで目にした事があるだろう風景。
信州・安曇野の水車の風景は、この大王わさび農場にある。
透明で清涼な水が深い森の中を流れ、水車を回す。
水の中には、ゆらゆらと水草が揺れている。
群を抜いて、美しい水辺の風景は、見る人の心を奪い、虜にしてしまう。
安曇野・蓼川
とにかく流れる水が美しい。
透き通った美しい水の中には、いっぱいの命が育まれている。
水辺には瑠璃色の美しいトンボが何匹も舞い、短い夏を謳歌している。
わさびは清涼な水にしか生息しないのだから、わさびを育てる農場の中を流れる水は必然的に清水である。
わさびを作っているのは、基本的に水が美しい深い山の中。
しかし、このわさび農場は町のすぐ近く、市内を流れる大きな「犀川」のすぐ側にある。
山というより、盆地のど真ん中に位置する農場は、豊富な湧水でわさびを栽培している。
いかに、安曇野の自然と美しい湧水が豊かであるかが、ここに来ると実感できる。
安曇野・代表的風景
森の中を流れる川は「蓼川」
静かに、それでいて力強く流れる清流は、ゆっくりと水車を回し続ける。
森の中に響く水の音と水車の音、そして小鳥のさえずり。この場から心も体も離れられなくなる魅惑の空間。
大王わさび農園
わさび農場には、いくつも清流が流されていて、その流れの中でわさびが栽培されている。
平地の中につくられているので、とにかく広い。
一体どれだけのわさびがここで収穫できるのか、想像もできないくらいの広さである。
写真は農場のごく一部分。
夏場は陽射しを避けるため、黒い日除けに覆われている。
広いワサビ畑の光景は、壮観だった。
ちなみに、ゴールデンウィークに訪れた時はこの日避けは畳まれており、この下を流れる清流とワサビの姿が見えた。
大王わさび農園
森の中に広がるワサビ畑。
猛暑の中、緑と清流が作り出す清涼感は、とにかく清々しい。
園内は散策しているだけで、涼むことができる真夏のオアシスのようでもある。
大王わさび農園
黒い日除けの下には、ワサビが並び、清流が絶えず流れている。
流れる水には足を浸せる場所(親水広場)がある。
靴を脱ぎ、その流れに足を入れると、とにかく冷たい。
年間を通して12℃を保つ湧水は、暑い夏の日には、たまらない清涼感。
こんな冷たく美しい水があふれる安曇野の恵みは、最高のわさびとなって育まれている。
大王わさび農場・大王窟と開運洞
園内には「大王神社」があり、その奥にはこんな祠がある。
「大王」というこの農場の名前の由来が、この神社や祠にある。
昔、大和朝廷が東北制圧の足がかりとして、信濃の国に苦しい負担を強いていた。
それを見かねた、安曇野の魏石鬼八面大王が立ち上がり、大和朝廷と激しい戦いを繰り広げる。
最終的に魏石鬼八面大王は倒されてしまうが、朝廷はその強さを恐れ、復活できないよう遺体をバラバラにして埋めた。
その胴体が埋められていた塚がこの農場にあったことから、「大王」と名付けられたそうだ。
大王わさび農場・開運洞
祠の内部。
真っ暗な中に灯りが灯され、真夏でもクーラーが効き過ぎているくらいとても涼しい。
奥には宝船が祭られていて、触れると御利益がある・・・かもしれない。
大王わさび農場・レストラン
農場内には食べる場所が充実している。
そば処、レストラン、茶屋、土産店・・・
ソバや岩魚の塩焼きなど、信州ならではのものや豊かな自然の恵みも楽しめる。
もちろん、わさびコロッケ・わさびソフトなど、ここの主役を使った特産品も目白押しだ。
今回は「レストラン」で昼食を頂いた。
窓際のカウンター席からは、清流のほとりのわさび畑が見下ろせる、気持ちのいい場所だ。
大王わさび農場・わさびソースかつ丼
頼んだのは、わさびソースかつ丼(1000円)
すっかり信州名物となったソースかつ丼に、たっぷりのわさびが小鉢で添えられている。
もちろんわさびは、この農場でとれた新鮮なわさび(のはずだ)

ためしにワサビをそのまま一口。
ツーンと来る感覚は不思議とすぐに治まる。その後は後味は残らず、清々しい清涼感。
次にたっぷりカツにワサビを乗せていただく。
ツーンとワサビの先制攻撃が来たあとは、カツの味が口の中に広がる。
ワサビによって、その肉の旨みとソースの甘さが引き立ち、とてもおいしくいただけた。
大王わさび農場・水車小屋
さて、園内を回ったら、再び水車小屋に戻ってきた。
この風景は農場のお気に入りの風景だけでなく、安曇野のお気に入りの風景。
どうしてもここに足が向き、写真も多くなってしまう。
安曇野・水車小屋
流れる清流。
岸辺から見ていても十分だが、もっと水に親しみたければ、ゴムボートに乗れるサービスがある。
少し下流の駐車場内に、サービス乗り場があった。
この清流をボートやカヌーで遊ぶのは、とっても気持ちいいだろう。
でも、カメラマンには煙たがられそうだが・・・(笑)
大王わさび農場・水車小屋
ただ、水の流れを楽しむ。それだけで、ただ幸せ。
家に持って帰りたいくらいの風景。
この流れのほとりに我が家があれば、どんなに豊かな暮らしかと想像してしまう。
安曇野・水車小屋
回る水車。
川床の緑を包む澄んだ水と森の緑を包む澄んだ空気を水車がゆっくりとかき回している。
安曇野水車小屋
どこまでも澄み切った水。いつまでも居たくなる場所。
ゆっくりしていたいが、今は旅の途中。名残惜しいが、この場所を後にする。
いつか好きなだけ、この場所でとどまれる時を夢見て。
まだ今は、旅の途中・・・

【大王わさび農場】
■My評価(5段階)
★★★★★(5.0)

2008年8月10日 (日)

記事タイトル

木曽駒ケ岳登山3・登頂そして下山 【長野・登山・ファミリー】

木曽駒ケ岳頂上
駒ケ岳頂上山荘を出発して20分も経たないうちに、到着した。
日本百名山のひとつ、「木曽駒ケ岳」(2956m)
雲を眼下に従えた、空の中の頂上だ。

僕の登頂は大学時代に登った時と合わせてこれが2回目。
妻は初めて。これで妻の制覇した百名山の数がひとつ増えた。
木曽駒ケ岳・駒ケ岳神社
頂上には「駒ケ岳神社」の立派な社がある。
社を守る鎮守の森はなく、さえぎるものなく風や豪雪にさらされる中、厳かにそこに鎮座している。
木曽駒ケ岳・駒ケ岳神社
駒ケ岳神社の祠は2つある。
木曽の祠と伊那の祠。
こちらの祠は比較的新しく、厳しい天候から周囲に積み上げた石垣で守られている。
木曽駒ケ岳からの宝剣岳
頂上から振り返る「宝剣岳」(2931m)
ケルンの向こうに広がる険しい岩綾は大迫力の風景だ。
木曽駒ケ岳からの中岳
見下ろす駒ケ岳頂上山荘。
周辺はキャンプ指定地にされており、シーズン中は色鮮やかなテントの花が咲く。
この日はシーズン直前、まだ時間も早く、テントは一張もなかった。
小屋のすぐ後ろにそびえる山が「中岳」(2925m)
一般ルートは中岳に登る道だが、今回僕たちが歩いたのは右側の中岳の山裾を巻く道。
見ていただいてもわかるように、途中から険しい岩肌の斜面中腹を歩く道になっている。
初心者は多少しんどいが、中岳に登る安全な真ん中の道を行きたい。
木曽駒ケ岳からの伊那前岳
駒ケ岳周辺の山に端を発し、深い谷が伊那路へと刻みこまれている。
ここから流れ出した水は、天竜川へと注がれる。
さて、東側(伊那路)の空には青空が広がっているが、西側(木曽路)からあやしげな雲がどんどん広がってきている。
天気は西側から崩れる。間もなくこの稜線の天気は悪化するのは明らかだ。
残念だが、頂上での滞在はそこそこにして、来た道を急いで下山する。
木曽駒ケ岳・雲の中の稜線
宝剣山荘付近まで戻ってきた。
目の前に見えるのは伊那前岳(2883m)へと続く稜線。
稜線は雲の上の世界ではなく、間もなく雲の中の世界になりそうだ。
乗越浄土から見下ろす千畳敷
やっと「乗越浄土」まで戻ってきた。
ここからロープウェイ駅のある千畳敷までは下るだけ。
稜線に雲が迫ってきているが、時折西日となった太陽が雲の切れ間から美しい千畳敷カールの世界を照らしてくれる。

下りは登り以上に困難がある。それは雪の上の下り。
カールにいっぱい残った雪の上の下りは慣れていないと、とても歩きにくい。
登山者の多くが何度もこの雪の上で、尻もちをつき、恐る恐る1歩を踏み出していた。

しかし、この踏み固められた雪は慣れるととても面白い。
かかとに体重をかけて雪の中に打ち込み、怖がらずに普通に階段を降りるように歩けばあら不思議。
アイゼンやストックがなくてもスイスイと雪の上を下っていける。
僕は雪の斜面を下り降りるのが大好き。だから雪山に行くと、下りのコースタイムが異常に早い。
この日もなかなか下れない妻を尻目に、ひとりで下まで雪の上を駆け降りた。
夏の雪の感触、そして自然の中で風のように走り抜ける感触はとても気持ちいい。
雪の下りに苦労する他の登山者からの「すごいっ」という声も、まんざら悪いものではない。
僕は妻を迎えに行くふりをして、またこの快感を楽しむため、雪の斜面を駆け足で登りなおした。
見上げる宝剣岳
カールから見上げる宝剣岳。
登り始めた時と比べるとずいぶん雲が増えてきたが、まだ美しい風景。
見上げる伊那前岳の稜線
伊那前岳の稜線。
雲の切れ間からスポットライトのように射し込んだ日光が斑に山肌を照らす。
音もなくゆっくりと、光と影は緑色の斜面を走って行く。
宝剣岳の稜線から雲があふれ始める。
ついに稜線の向こう側から雲が越えてこちら側に流れ込んできた。
間もなく、先ほどまで居た稜線や山頂は雲の中の真っ白な世界になるだろう。
これがこの日最後に見た、光に照らされた山の姿となった。
下界から迫る雲
剣ヶ池まで下り、逆さ宝剣岳の撮影のチャンスをうかがっていた。
早く雲が一瞬手でも切れないか・・・
しかしふと山の下を見ると、なんと雲が下からも湧いてきた。
もう足もと間近まで迫ってきている。
それと同時に、堰を切ったように宝剣岳の稜線から雲がカールへと流れおちてきた。

世界は一瞬にして光を失い、真っ暗になる。
来る。これはやばい。
一瞬にして周囲を包み込む雲は大荒れの予感。遠くでは雷も鳴り始めた。
撮影は諦め、ロープウェイ駅への階段を足早に登り始めた。
ロープウェイ駅につくと同時に、周囲には雨音が激しく響き始めた。

一瞬にして変わる天気。これが山の恐ろしさ。
遮るものが何もない高山で冷たい雨に打たれると一気に体温が下がる。
岩だらけの足場はとても滑りやすくなる。
雲に包まれ、何も見えなくなり、道に迷いやすくなる。
そして、雷が自分を包む雲や、自分と同じ高さを飛ぶ雲の中で発生する。

天気が良い時には想像もできない気持ちいい雲上の世界は、過酷で危険な世界に一気に変わる。
今回は、この雨を見越して宝剣岳への登頂はせず、木曽駒ケ岳での頂上の滞在も短くした。
そのために難を逃れることができた。

雨と雲に包まれて、早々と照明を点灯させたロープウェイ駅から下山に向けて出発したのは間もなく。
もちろん雨にあっても大丈夫のように雨具の用意はちゃんとしていた。
しかし、これで宿で雨具を乾かさなくてもいいと思うと余計な仕事がひとつ減ったみたいでちょっと気持ちが楽になった。

ロープウェイで下界に降りると、雨はやみ、路線バスで車を預けていた駐車場に戻ると、すっかり夏の太陽がまた焼けるような西日を投げつけてきた。
車の中に登山の荷物を積みこんだら、本日の宿に向けて、車を走らせた。
菅ノ台の駐車場付近には温泉施設が何軒かあり登山の汗を流せるが、宿のチェックインの時間が迫っている。
今日の宿は、木曽駒ケ岳の向こう側。
新しくできた国道361号線の権兵衛トンネルを使い、中央アルプスの真下をくぐりぬけて、伊那路から木曽路へと入った。
木曽駒ケ岳登山地図

木曽駒ケ岳の地図

2008年8月 7日 (木)

記事タイトル

木曽駒ケ岳登山2・乗越浄土~駒ケ岳頂上山荘 【長野・登山・ファミリー】

宝剣岳・天狗岩
「千畳敷カール」から「乗越浄土」に登りきったら、今度は稜線の上の雲の上のトレッキングとなる。
しかし、雲の上といいながら、もうすぐここは雲に包まれるであろう空模様だ。
急ぎ足で、本日のピークである「木曽駒ケ岳」(2956m)へ向かう。
宝剣山荘の横から見える巨大な奇岩は「天狗岩」
乗越浄土付近からの三ノ沢岳
稜線を行くと、左側に見事な三角形をした山が見える。
地図を見ると、「三ノ沢岳」(2846m)とある。
名山入りしていない山だが、それでもその山容は立派でアルプスの風景にふさわしい。
木曽駒ケ岳と宝剣岳の間の谷
足元には、木曽駒ケ岳と宝剣岳の間の水を集めて流れる深い谷が広がる。
谷は「滑川」となって、木曽川へと注いでいる。
この高度感はとても気持ちがいい。

さて、この谷が見える頃、木曽駒ケ岳へ向かう稜線の道は分岐を迎える。
ひとつは「中岳」(2925m)を経由する登り道。
もう一つは「中岳」に登らず、西側斜面を巻く巻き道。
普通は巻き道の方が楽だが、その分岐点に立てられた看板には「危険」と大きく書かれている。
確かに、分岐点から見ただけでも、登り道より巻き道の方が険しそうだ。
昭文社の「山と高原地図」にもルートは破線で、危険マークがしっかりと添えられている。

天気が悪化しそうなので、できるだけ時間は短縮したい。
岩場の通過はあるが、鎖場もなさそうなので今回は巻き道を選択した。
妻も登山初心者とはいえ、御嶽や乗鞍岳、蝶ケ岳などの森林限界を超えた山はいくつも制覇している。
もはや超ビギナーではないので、問題はないだろう。
木曽駒ケ岳・横手コース(巻き道)
さて、これが巻き道である「横手コース」。写真中央、左から続く細い筋が登山ルート。
結論から言うと、登山装備をきちんとしていて、登山経験がある程度ある人なら問題はない。
ここが「危険」というならば、北アルプスの穂高周辺の一般登山道の方が相当危険だ。
もちろん、滑落すればたたでは済まない道だが、滑落しそうな場所はそんなに多くない。
恐らくこれだけ「危険」と書いているのは、容易に登山未経験者・非装備者がここまで来れる山域なので、その警告のためだろう。
当然のことながら、装備・経験に自信のない人は中岳を経由する比較的安全な道へ進むべきである。
木曽駒ケ岳・巻き道
とはいえ、三点支持を使うような岩場も数か所ある。
それに悪天候時や積雪期は格段に危険度は上がるだろう。
天気が良い時に限って利用したい。
さて、この道を行くと、今まで見れなかった高山植物がいっぱい咲いている。
イワカガミ
【イワカガミ】
山地にも咲く花だが、高山に咲くものは「コイワカガミ」というそうだ。
色が鮮やかで、よく目につく。
チングルマ
【チングルマ】(白色の花)
高山植物でもかなり有名で、よく咲いている。
花が終わると美しい綿毛をつける。
ミヤマキンバイとイワツメクサ
【ミヤマキンバイ】(黄色い花)
これもよく見かける高山植物。
とても色鮮やかな黄色は美しい。
【イワツメクサ】(白い花)
花びらがいっぱいあるように見えるが、実は5枚だけ。
根本付近から二股になった花びらが5枚で10枚の花びらに見える。
中岳直下のお花畑
曇り空から日が射し込んだ。
そのとたん、一面のお花畑は美しく輝く。
崖の上の細い道にいながら、その美しさには目を奪われてしまう。
中岳巻き道から谷底を見下ろす
見下ろす足もとにずっぱりと切れ落ちる深い谷。
その深い谷へと引きずりこまれる急斜面の岩場に、美しくも小さな高山植物がいっぱい花を咲かせている。
光と影が入り混じるお花畑
雲の隙間から射し込む光が、お花畑の斜面をまだらに照らしだす。
お花畑に落とされる光と影の交錯がとても幻想的な世界を演出する。
花畑の上を影と光は交互に駆け抜けていく。
しかし、どんどん影が支配する時間が多くなってきた。
岩場が続く横手ルート
迫力のある岩場が続く巻き道。
その奥に見える岩稜は、まさにアルプスの景色。
その圧倒的な高度感と荒々しい風景を楽しみながら、気をつけて道を進んでいく。
木曽駒ケ岳頂上はもうすぐ
横手ルートの最後の方は特に危険場所もなく、間もなく中岳を経由した道と合流した。
合流したところに、「駒ケ岳頂上山荘」があり、その前にキャンプ指定地がある。
見上げる山が木曽駒ケ岳。山頂の祠がもう見えている。もうすぐだ。
天候はまだ崩れそうにないので、このキャンプ場で昼食をとってから頂上へアタックすることにした。

キャンプ場と言っても、テントを張るために整地した区画があるだけ。
水道も洗い場もなく、水とトイレを有料で小屋から提供を受けるだけの施設だ。
下界で買ってきたパンやカロリーメイトを食べながら、学生時代にここでキャンプをしたことを思い出していた。
重さ20kgを超えるザックを背負い、ここでキャンプをして登頂したのだが、あまり思い出せない。
何故だか、このキャンプ場の夕食で初めてイカスミパスタを食べ、その黒さにショックを受けたことだけ思い出した。
10年も経つと、人の記憶なんてむちゃくちゃになってしまうもんだなぁと、駒ケ岳を見上げながら思わず苦笑いしてしまう。
登山靴ソールはがれの応急処置
食事が終って出発準備をしていると、突然妻が悲鳴を上げる。
何事かと思うと、なんと、妻の登山靴のソールがペロンとはがれていた。
これは迂闊。5年を超えて使っているのに、登山出発前に事前の靴の点検を怠っていた。
とはいえ、山ではよくあるトラブル。
慌てずに、装備のファーストエイド(救急セット)からテーピングを取り出して、はがれたソールをぐるぐる巻きにして固定する。
これで下山までは大丈夫だろう。
テーピングは捻挫に靴のトラブルにとても役に立つ。
足回りの固定にしか山ではあまり使わないので、出来れば太めのものを一つ持って行くと重宝する。

しかし、信州旅行中のしょっぱなの登山で靴がいかれたのは痛い。
まだ後日に白馬乗鞍・可能なら草津白根山への登山予定がこの時にはあった。
この靴では登山はできない。
新しい靴をどこかで調達しないと・・・
松本のICIスポーツで後日妻の靴を購入しようと思うが、その出費と旅行中のロスタイムは、結構痛い。
やはり靴のメンテナンスはしっかりして、古くなったら早めに「セールなどで掘り出し物」を探すのが得策だなぁと痛々しい姿になった靴を見て実感する。

さて、気を取り直して本日ピーク、木曽駒ケ岳に登ります。
木曽駒ケ岳・登山地図

木曽駒ケ岳の地図

◆駒ケ岳ロープウェイの記事
◆千畳敷カールの記事
◆木曽駒ケ岳登山1(千畳敷~乗越浄土)
◆木曽駒ケ岳登山2(乗越浄土~地駒ケ岳頂上山荘)
◆木曽駒ケ岳登山3(登頂・下山)

2008年8月 3日 (日)

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木曽駒ケ岳登山1・八丁坂~乗越浄土 【長野・ファミリー・登山】

千畳敷カール・宝剣岳
中央アルプス・千畳敷カールの遊歩道の奥にある分岐路。
ここから山を登って行く道は、本格的な登山道。
この先には、カールから見上げる宝剣岳(2931m)やここからは見えないが、木曽駒ケ岳(2956m)が待っている。
まずは頭上にそびえる宝剣岳の懐目指して、山を登って行く。

→千畳敷カールの地図はこちら

千畳敷カール・八丁坂を登る
7月初旬の登山道の様子。
稜線に向かうこの山道は「八丁坂」と呼ばれている。
急な斜面はまだ一面の雪に覆われている。
稜線までは標高差約250mほどの登り。時間にして1時間弱。大したことはない。
しかし、夏の初めは雪が多く、雪が少なくなると登山者が増えて行列する。
登りはまだいいが、慣れていない人は簡易アイゼンやストックがないと下りは大変。
かなりのスローペースやスリップをする人が続出している。

この雪は稜線直下まで続いていた。
コースを示す棒が立てられ、関係者の人が雪かきして道を確保してくれている。
念のため、関係者の方に聞いてみた。
「今年は雪は多いですか?」
「平年並みですね」

【注意】
雪が融けた後も、登山道は大小の石が転がる足もとが不安定な道です。
簡単に登れそうですが、登山装備と経験が無い人の事故が多発しています。
また、空気も薄い上に、独特の地形の為、天候は突然急変します。
安易な気持ちや行き当たりで、準備なくこの道を登らないでください。
千畳敷カール横の稜線
登山道から右方向の稜線を見上げる。
雪の上にはハイマツのグリーンベルト。
さらにその上には真っ青な空。溜息が出そうな美しさだ。
近づく宝剣岳
今まで見上げていた宝剣岳が、目の横にまで近づいてきた。
稜線はもうすぐだ。
もうすぐ、空の世界に出られる。
オットセイ岩
稜線に近づくと奇岩が多くなってくる。
画面中央にある岩は「オットセイ岩」というそうだ。
確かに、そう言われると、そう見えなくもない。

左下に見えている建物が、駒ケ岳ロープウェイの千畳敷駅と隣接するホテル千畳敷。
日本でいちばん高い所にある「駅」と「ホテル」だ。
稜線直下に咲くチングルマ
稜線間近までくると、一足早く咲き始めた高山植物が出迎えてくれる。
紺碧の青空をバックにチングルマが美しく咲いていた。
乗越浄土からの中岳
登りは終り、目の前に今まで見えなかった山の向こう側の景色が開けた。
ついに稜線に出た。木曽路の山々が目の前に広がる。
目の前に見える頂は中岳(2925m)
目指す木曽駒ケ岳は中岳の向こうにあり、ここからは中岳の影になって見えない。
ここから稜線沿いに中岳を経由して、木曽駒ケ岳を目指す。
乗越浄土から見下ろす千畳敷
振り返る伊那路方面。
出発した千畳敷は、ずいぶんと足元にある遠い景色になってしまった。

千畳敷カールから登った稜線鞍部は「乗越浄土」と呼ばれる場所。
ここには「宝剣山荘」「天狗荘」という山小屋があり、中央アルプス登山の貴重な基地のひとつとなっている。
宿泊はもちろん、食事、食糧・水購入、トイレなどが有料で利用できる。
夏でもストーブが焚かれた休憩室があり、有料だが急な荒天時にはありがたい避難場所になる。

予報では天気は午後からは崩れるようだ。
確かに、木曽側からは多くの雲が湧き始めている。間違いなくひと雨来る雰囲気。
さっきまであんなに青空だった天気が、ほんの数時間で雨になる。これが山の天気の怖いところだ。
天候がもつのはあと3時間くらいだろうとこの時に判断。
少し休憩したいところだが、トイレだけ利用させてもらい、出発する。
木曽駒ケ岳へは乗越浄土からおおよそ1時間で到着できる。
宝剣岳頂上
少し見上げると、宝剣岳の頂上が間近に見える。
先に登頂した登山者が、この山の「お決り」ともいえるポーズで記念撮影をしている。
僕はあの頂上に立ったことはないが、あの場所であのポーズをするにはなかなか勇気がいると聞く。

宝剣岳山頂まではここから約20分。
しかし、宝剣岳の頂上にたどり着くには、足元の不安定な岩場をクサリ場などを乗り越えていかないといけない。
天気は下り坂の今日、往復40分のロスは痛い。
登頂は諦め、木曽駒ケ岳へ足早に向かうことにした。

◆駒ケ岳ロープウェイの記事
◆千畳敷カールの記事
◆木曽駒ケ岳登山1(千畳敷~乗越浄土)
◆木曽駒ケ岳登山2(乗越浄土~地駒ケ岳頂上山荘)
◆木曽駒ケ岳登山3(登頂・下山)

Map_2

2008年8月 1日 (金)

記事タイトル

中央アルプス・千畳敷カール 【長野・登山・ファミリー】

千畳敷カール
「すごいっ」
この風景を見た時に、思わずもれた感嘆の言葉。
この美しさを表現する言葉が見つからず、とにかく写真で伝えようとシャッターを切った風景。

中央アルプス宝剣岳(2931m)直下に広がる千畳敷カール
標高2600m、雲上の別世界だ。
カールというのは、氷河が削った跡の地形。
太古の昔には、日本にも氷河が存在していたのだというのが、このスイスを思わせる独特の地形からわかる。
それは日本にはまずあり得ない、とても美しい日本離れした風景だ。
千畳敷カールと宝剣岳
この千畳敷カールには「駒ヶ根ロープウェイ」を使えば、簡単に訪れることができる。

→駒ヶ根ロープウェイの詳細記事はこちら。

千畳敷きには1周40分ほどの遊歩道がある。
運動靴程度なら歩行には問題はない。
ただし、雪が残っているということは夏でもかなり涼しいので、もう1枚長袖上着は持って行きたい。
青空と稜線
蒼い空、真っ白な雪、鮮やかな緑。
3つの色が織りなす美しい別世界の風景は、来る者全てを魅了して止まない。
登山者のみに許されていた、アルプスの美しい風景を、ここでは誰もが簡単に感じることができる。
森林限界の世界
千畳敷カールは森林限界を超えた世界。
森林限界とは、標高・気候・地形的な制約で高木が生息できなくなるラインのこと。
そのラインをここは超えていて、背の高い木は全く生えていない。
あるのはハイマツなどの低木や、美しい花をつける高山植物たち。
瀬畳敷から望む南アルプス
ロープウェイ駅舎の裏側にまわると、今まで居た下界が一望できる。
随分と高いところまで登ってきたものだと感じる。
眼下に広がるのは伊那路・駒ヶ根市。
奥には日本第2位の標高3192mを誇る北岳を盟主とする南アルプスの勇姿が望める。

ロープウェイの駅舎にはレストラン・売店・トイレが完備された立派なもの。
日本最高所のホテルである「千畳敷ホテル」も併設されている。
ここでしっかり準備を整えたら、遊歩道へのハイキング開始。
今回は時計回りで遊歩道を歩いた。
千畳敷カール上の飛行機雲
まずはロープウェイ駅からすぐの所にある駒ケ岳神社にお参り。
そして、遊歩道を歩きだす。
見上げると、空の上を飛行機が飛んでいる。
標高2600mの千畳敷から見上げると、やはり飛行機が近く見えるような気がする。
稜線と飛行機雲
青い空に白いラインを描きながら飛んで行く飛行機。
思わずその白線の行方を追いかけてしまう。
千畳敷カール下部
千畳敷カールを見下ろしてもとても美しい風景。
氷河が削ったお椀形の地形になっているのがよくわかる。
雲の上の青空の飛行機雲
空を見上げると、飛行機雲が交差していた。
大自然の上、真っ青なキャンパスに描かれた文明の利器によるアート。
とても美しく、思わず何枚もシャッターを切ってしまう。

歩いている間にも、何回も飛行機が上空を通過する。
中央アルプス上空は、飛行機がよく飛ぶようだ。
まるで、宝剣岳という要塞が、大空にミサイルでも発射しているようだ。
何度も何度も山の向こうから白いラインが青空に向けて描き出されていく。
千畳敷カール・剣ヶ池
カールの一番下部に当たる部分には「剣ヶ池」がある。
ここに雪解け水が流れ込み、一気にカールの下の下界へと、急斜面をいくつもの滝となって流れ落ちていく。
池の向こう側には、南アルプスの山容が望める。
残雪残る千畳敷カール
遊歩道は少し行くと雪の上に出る。
雪は踏み固められて道になっているので、その上を歩く。
猛暑が続く7月に雪に触れられるのはとても嬉しい。雪の上に出ると、吹き渡る風がとても涼しく感じられる。
久々の雪の感触を楽しみながら、足元に気をつけて歩いて行く。

写真右側の雪の上に米粒のように見えるのは登山者の姿。
登山者はこのカールの上へと、雪の上をさらに登って行く。
宝剣岳から発射!
さて、遊歩道は分岐点に。
遊歩道は右に折れて下り、剣ヶ池へと向かう。
左に折れての登りは登山道。
ここからは本格的な山道で、登山装備が必要となる。
通常観光ならば、必ず右方向へ下る道へ進もう。

さて、今回僕たちの目的は、このカールの上にある日本百名山であり、中央アルプスの盟主である「木曽駒ケ岳」(2956m)の登山。
もちろん、ちゃんとした登山装備もしている。
ここからは遊歩道に別れを告げ、まずはカール上の稜線を目指す。
登山の様子は後日の記事で紹介します。

ここからは木曽駒ケ岳に登頂し、再びこの場所へ戻ってきた4時間後のレポートとなります。
分岐点へ戻ってきたら、今度はこの分岐を右方向に下り、剣ヶ池を経由してロープウェイ駅に戻ります。
残雪の千畳敷を行く
千畳敷カールの遊歩道を行く人々。
7月のはじめだというのに、たくさんの雪がまだまだ残っている。
雪はしっかり踏み固められているので、水平に歩く道は大丈夫。
しかし、下り坂では転ぶ人がとても多く、注意が必要のようだ。
剣ヶ池へ下って行く道はまだ雪がたっぷりの下り坂なので、気をつけたい。

この雪が融けると、付近一帯は高山植物の宝庫となる。
7月下旬から見ごろを迎えていくそうだ。
しかし、そのころには、さらに多くの人が訪れ、大にぎわいとなる。
ロープウェイの乗車に2時間近く待たないといけないこともよくあるので、シーズン中の訪問には十分余裕を持ちたい。
逆さ宝剣岳・剣ヶ池
下山時に立ち寄った剣ヶ池。
ここは、水面に逆さ宝剣岳を映す、絶好の撮影スポットでもある。
残念ながら天気が悪化し、曇ってきた。
しかし、青空の下でこの風景を見たら相当の絶景だろう。

池はカールに残る雪の雪解け水が流れ込んできている。
それとは別に、カール下の伏流水がこの池の底からこんこんと湧きだしているようでもあった。

天候の回復を待ったが、ついには雨が降り出した。
山の天気は変わりやすいというが、本当にそうだ。

この池からロープウェイ駅までは階段の登り。
少ししんどいが、頑張って登ると間もなく駅舎に到着する。
ここから下界に戻るのだが、下山はとても混み合うので、時間に余裕を持っておきたい。

千畳敷カール遊歩道の地図

2008年7月25日 (金)

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中央アルプス・駒ケ岳ロープウェイ 【長野・登山・ファミリー】

日本アルプスには「北アルプス」「中央アルプス」「南アルプス」という3つの山域がある。
その中央アルプスの盟主にして日本百名山のひとつであるのが木曽駒ケ岳(2956m)
今回はこの山への登山だ。
とても高い山だが、木曽駒ケ岳には日帰りでの登頂が可能。
その大きな手助けをしてくれるのが、「駒ケ岳ロープウェイ」だ。
標高2612mの「千畳敷」まで一気に連れて行ってくれる、日本有数の山岳ロープウェイである。
この千畳敷駅は、日本で最も高い場所にあるロープウェイの駅である。
バスから見あげる宝剣岳と駒ケ岳ロープウェイ
駒ケ岳ロープウェイは標高1662mの「しらび平」からの乗車になるが、しらび平までは環境保護などの面より一般車は通行不可。
中央自動車道・駒ヶ根IC付近の菅ノ台パスセンターなどの駐車場にマイカーを駐車。
そして、路線バスに乗り換えて、しらび平まで移動する。

細い山道をバスが何度もカーブを曲がりながら進んでいく。
何度カーブを曲がったことだろう。
下界には駒ケ根市の町並みの広がりが見渡せるようになってくる。
そして、宝剣岳(2931m)がどんどん近付いてくる。
その宝剣岳のすぐ下、森林限界を超えた所まで、ロープウェイが伸びている様子がよくわかる。
しらび平のモニュメント
しらび平駅に到着。
緑の香りがとても気持ちよく、自然の深さを感じられる。
ロープウェイはシーズン中には乗車に行列し、待ち時間も多く発生する。
日曜日とはいえ、まだシーズン突入前だったので待ち時間はほぼ無し。
土産屋や売店はあったが、次の便に乗れるようにパスを降りたらすぐに乗り場に移動する。
駒ケ岳ロープウェイ・しらび平駅
間にあった。ロープウェイは満員電車並みだが、何とか待ち時間無しで乗れそうだ。
気持ちよい緑を抜け、目指すは真っ青な青空。
高低差約950mを7分半で駆け抜ける最高の空旅が、今から始まる。
この950mの高低差はロープウェイとしては日本最高である。
ロープウェイから見下ろす滝
ロープウェイが空に舞い出してややすると、眼下に立派な滝がいくつも現れる。
山の急斜面を美しい水が一気に落ちてい谷。
その上をロープウェイは飛んで行く。
怖くなるくらいの高い場所から望む渓谷の様子は圧巻だ。
ロープウェイから見る滝
目の前にも何度も滝が姿を現す。
この谷には「日暮の滝」があるのだが、どれがその滝か区別はつかないくらい滝が多い。
この流れは千畳敷カールに残る雪を集めた雪解け水。
冷たく美しい水の清々しさが、満員のロープウェイの車内にすら伝わってくる。
赤鉄柱を過ぎると森林限界に
いくつかの支柱を超えると、木々の姿がなくなる。
高木が自生できない森林限界の上に出た。
それと同時に、青空に生える眩しい真っ白さが萌える緑の中から目に飛び込んでくる。
雪だ。
森林限界を超える高い山には、7月になってもまだ雪が残っている。
ロープウェイ車窓からの雪残る森林限界
千畳敷駅が見える頃にはあたり一帯は森林限界を超えた世界に。
そして、真っ白な雪が今もいっぱいに残っている。
美しい別世界。
ここが日本なのかと思えるくらいだ。
千畳敷カールに到着
千畳敷駅につくと、空気がとても澄んでいて涼しいことが実感できる。
ロープウェイを降りて駅舎の外に出ると出迎えてくれるのは宝剣岳の麓に広がる「千畳敷カール」
カールというのは氷河に削られた地形の跡。
日本にも氷河期には氷河がかつて存在していた名残である。
やはり今の日本にないものが作り出した風景は、日本離れしている。
千畳敷カールは遊歩道があり、登山装備がなくても散策は可能。
詳細は、次の記事で紹介します。

千畳敷駅には売店や食堂があり、千畳敷カール散策の時に利用できます。
また、この駅舎は日本一高い場所にあるホテルである「ホテル千畳敷」が隣接する。
森林限界を超えた美しい風景の中での宿泊は、都会の喧騒を忘れるくらいの騒ぎでは済まないだろう。
今回は残念ながら、宿泊はしなかったが、いつか一度止まってみたいホテルのひとつでもある。

なお、ロープウェイの下りは上りよりも混雑が予想される。
乗車時間待ちは混雑時には相当になると思われるので、余裕を持って下山を開始したい。
また、標高差は下界と比べて2000m以上高いこの場所はとても涼しいです。
平地より10℃以上は気温が低いと考えて、夏でも長袖シャツともう一枚羽織れるパーカーなどの持参をお勧めします。

【駒ケ岳ロープウェイ】
■My評価(5段階)
★★★★☆(4.5)

2008年7月23日 (水)

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信州旅行に行って来ました 





しばらくブログをお休みいただき、すいません。
今回、早めの夏休みで信州を旅しておりました。
梅雨明け前の信州でしたが、天気は上々で、雨に泣くことは少しだけしかありませんでした。
深い自然の懐に飛び込んだり、気持ち良い温泉に飛び込んだり・・・
訪れた場所の記事も今後紹介していきたいと思います。
改めて、どうぞよろしくお願いいたします。

【1段目・左】中央アルプス・木曽駒ケ岳へ登山
【1段目・中】安曇野・大王わさび農園
【1段目・右】栂池・白馬乗鞍岳へ登山
【2段目・左】長野・善光寺へ参拝
【2段目・中】志賀高原・白根山
【2段目・右】草津温泉・湯畑
【3段目・左】軽井沢・軽井沢高原教会
【3段目・中】野辺山・JR最高地点
【3段目・右】御殿場プレミアムアウトレットからの富士山

2008年6月29日 (日)

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小笠原旅行記32・母島東港シュノーケル 【東京都・島旅・ファミリー】

母島・鬼岩付近
野生のイルカとの触れ合いが終わり、海に飛び込んだ参加者の回収作業が続く。
ご覧のとおり、海はかなり荒れているので、母船のクルーザーまで泳いで帰ってくるのはなかなか骨が折れる。
僚船の漁船タイプの小型船が海にいる参加者を引き揚げ、母船に近づいてから参加者はそこから再び海を泳いで戻ってきた。
その間、海に入らなかった僕たちは、小笠原の海、母島の荒々しい岩壁の姿を眺めていた。
岩壁の波打ち際には大きな穴がいっぱい開いている。
太平洋を揺るがす大波があけた穴。そのすざまじいエネルギーは時々乗っている船を襲う。
そして、波しぶきをザプザプと一眼レフにかけてくる。
一撃食らえば、僕の2年間の小遣いがぶっ飛んでしまう。怖いっ。
母島・乾崎
全員が船に戻ったら、船は母島を時計回りに走り始めた。
母島の最も北の岬でイルカに遭遇したので、北から東海岸を走って行くルートだ。
その美しい母島の姿をいっぱい一眼レフで収めたかったが、飛んでくる波しぶきのためにカメラはもう使えない。
慌てて、防水バックの中に収納する。しかし、この大波の中のイルカの撮影で、もう一眼レフは潮で真っ白になっている。
大丈夫かなぁ・・・
母島東海岸北部
島の東海岸を南下する。
深い緑に荒々しい岩肌。そして、それらに打ちつけられる、荒々しい海。
常夏の小笠原も、冬には厳しい北風が吹きつける。
荒々しい海の様子だけは、日本の海と変わらない。船の中にも容赦なく波しぶきが飛び込んでくる。

さて、こんな水しぶきに濡れる過酷な環境の中で撮影は、普段はサブカメラとして使っているコンパクトデジカメが頼りだ。
オリンパスμ720SWという機種を使っているのだが、何の準備もなくても3mまでの潜水が可能な防水カメラ。
1.5mの高さから落下させても壊れないという、アウトドアで使うのにはもってこいの相棒だ。
水しぶきの中やシュノーケルの撮影ではこれで十分。今回の撮影でもそのタフさを発揮してくれた。

しかし、参加者の持っているカメラは30~40m潜水できるプロテクターを装備させている人がほとんど。
最低の防水機能は、μ720SWの後継機種で10m潜水ができる機種だった。
みんな気合い入っているなぁと感心していたが、この「3m」と「10m以上」という防水性能の差が大きな壁になることをこの後実感することになる。
母島の奇岩
母島も父島と同じく海底火山の噴火によってできた島。
そのため、島の岩肌は荒々しく、長年の侵食によって奇岩が形成されている。
海の上を走りながら、刻々と変わっていく島の表情は見ているだけでも飽きない。
それどころか、どんどんとその表情の豊かさには惹きつけられていく。
母島・東港
大きな入り江に入ってくると、先ほどまでの波の高さが嘘のように静かになった。
そして、船はゆっくりと速度を落とした。
船長からここでシュノーケルを楽しんでくださいとアナウンスがある。
イルカはいないが、参加者は待っていましたと次々と青い海の中に飛び込んでいく。

ここは「東港」という場所。
周囲には集落はなく建物も何もないのだが、なぜだか立派な防波堤だけが作られている。
戦前にはこの付近には集落があり、返還後も昭和末期までここを基地にして捕鯨がおこなわれていたそうだ。
今は住む人もいない場所だが、国際避難港として整備の工事が進められていると船長から聞く。
確かに、母島の中心地の港には大きな船が入れない。
この大海原で荒れる海を回避できる場所は、絶海を行く船舶にとっては天国だろう。
小笠原・母島の海
恐ろしいほどに青い小笠原の海。
まるでブルーサファイアのような海の色は、本当に宝石の色。
この惑星の宝石、すべての物を産んだ母なる海。
美しい海の色を見ていると、どうしても海に誘われる。

南国の海は暖かいとはいえ、強風吹くポートの上はまだ寒い。
ラッシュガードを着ているので海の中は大丈夫だが、そのあとの移動はとても寒いだろう。
そう思って、もう今日は海に入るのはやめようと思っていた。
なので、デッキの後ろから持ってきたゴーグルでその美しい海の中をのぞいてみる。
母島・東港シュノーケル
相当水深はあると思われるのに、はっきりと海底のサンゴ礁が見える。
なんという水の透明度だ。
折からの悪天候と強風で、海の中は濁っているはずなのに、それでもこの美しさ。
恐らく、日本の中でも最も美しい海の色だろう。

この美しい海の中を見た瞬間、僕の中のスイッチが入った。
気がつくと、後部デッキに戻り、ジャケットを脱ぎ捨てシュノーケルを装着していた。
「え?入るの?」
妻が驚いている間に、僕はこの小笠原の青い海に抱擁されるように、その身を海に投げ込んだ。
小笠原に来て、何度も試みてきた2008年の初泳ぎを、この時にやっと達成した。
母島・東港シュノーケル
1月の小笠原の海は、ラッシュガードを着ているとはいえ、びっくりするくらいに暖かかった。
海に落ちて心臓麻痺する人はおそらくいないだろう。
少し涼しい夏の日にプールに飛び込んだくらいの冷たさしか感じない。

船の上から見るより、サンゴ礁は近く見える。とても美しい。
僕は国内でダイビングもする(していたの方がもはや正しい)が、こんなにサンゴが群生している場所は初めて見た。
東港の水深
浅そうに見えるが海は深い。
海面に浮く参加者と比べてみると良くわかるが、海底ははるか下だ。
水深は推定で7~8mほど。
こんなに深いところで泳ぐとは思っていなかったので、フィンは持ってこなかった。
フィンなしで海底まで潜るのは至難の業だ。
しかも僕の持っているカメラのμ720SWの潜水可能深度は3m。海底までの潜水は不可能だ。
しかし、僕以外の参加者は、この大荒れの海の中をイルカと一緒に泳げる猛者たち。
おまけにウェットスーツとフィンで完全武装している。
まるでイルカのようにドルフィンスイムで海底まで潜り、みんな気持ちよさそうに海中を泳いでいる。
その姿はとても美しい。
中には2分近く難なく潜り続けたり、バブルリング(息で泡の輪っかをつくる)を披露する人も。
まさに海人。よくテレビで熟練の素潜り漁師の技を見るが、これに近い。
本当に同じ人間かと思うほど、みんな海の中を自由に泳ぎまわり、この美しい小笠原の海を楽しんでいた。

なるほど、だからみんな、10m以上の潜水機能のあるデジカメを用意していたのか。
今やっとはっきりと理由がわかった。
3mの潜水機能しかないデジカメと30秒の潜水がやっとの身体能力の僕。
とても大きな違いをまじまじと見せつけられた瞬間だった。
母島・東港のサンゴ礁
ジャックナイフで潜水して、美しい海底に近づきたいが、それをするとカメラを壊してしまう。
船にカメラを戻そうとも思ったが、船は知らないうちに随分と遠くに離れている。
フィンなしで簡単に戻れる距離ではなかったので、カメラを水から上げることはあきらめた。
もちろん、カメラは水に浮かないので、手を離せば、深い海底に沈んでしまう。
母島・東港のサンゴ礁
とはいえ、浮き輪もなしに、こんな深い海を平気で泳いでいられるのも小さい頃に通っていたスイミングの賜物。
ここは海底への接近をあきらめて、海面からいろんな海の景色を見ることに専念しよう。

とても美しい枝サンゴの群生。まるで竜宮城に竜宮城にいるみたい。
こんな美しいサンゴの森が、この海にはどこまでも続いていた。
母島・東港のサンゴ礁
立派なテーブルサンゴも広がっていて、母島の海の中は多様な美しさを見せてくれる。
本当に何の制限なく、この美しい海を魚のように泳いでみたい。
そのために必要な装備と身体能力が僕に無いのが歯がゆく思えた。

ふと気がつくと、船に置いてきたはずの妻も海の上に浮きながらこの世界を楽しんでいた。
妻はちゃっかりライフジャケットまで借りてきている。さすがだ。
母島・東港のサンゴ礁
サンゴの中には魚たちがいっぱい泳いでいる。
美しくこの海と同じような宝石色をした魚から、地味な色の魚まで。
悲しいかな、今日は深すぎて接近してその姿を拝めない。
しかし、ゆっくりと優雅に泳ぐ魚の姿を遠くからでも見ていると、とても不思議に心が休まる。
母島・東港の青い海
さあ、そろそろ時間だ。船に戻らないと。
他の参加者はまだ海で遊んでいるが、フィンを履かず、泳ぎも遅い僕たちは先に向かわないと・・・
下ばかり向いていてはわからないが、水平方向を見てもその透明度は抜群。
小笠原の海は、とにかく青かった。



蛇足だが、小笠原から帰ったのち、僕が10mの潜水機能を持つ後継機種のカメラに買い替えるのに、時間はさほどかからなかったことは言うまでもない(笑)

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2008年6月24日 (火)

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小笠原旅行記31・小笠原のドルフィンスイム 【東京都・島旅・ファミリー】

母島の断崖絶壁
僕たちが乗っていた「PAPAYA」の船は、青い海の上でゆっくりと停船した。
間近に迫るのは、約50kmのクルージングの末にたどり着いた、「母島」の断崖絶壁。
怒涛の迫力の岩壁には、何匹もの鳥が行き交っている。
天気は大分回復したが、波はまだまだ相当に高い。
比較的大きめのクルーザーだが、その船体も木の葉のように青い波に翻弄される、右に左に大きく揺れる。
母島
船から振り落とされないように、掴まりながら、絶海に突然現れた大きな岩の島の風景に目を奪われる。
これが母島。小笠原諸島で一般人が行ける一番南の島だ。
手つかずの大自然が残る島。その絶景は、海の上にいても凄まじいほどに圧倒される。
東京から1000km以上も離れた南海の孤島。遠くまで来たものだと、感慨に浸ってしまう。
しかし、突然の乗客の大声で僕は我に帰った。
野生のイルカ出現
「いたっ、いたっ、居た~!」
みんなが指さす方向を見ると、波間に背びれがいくつもみえる。
居た。イルカだ。
このツアーの船に乗る乗客のほとんどが、このイルカに出会うために乗っているといっていいだろう。
まだイルカは遠い。とにかく、先ほどのクジラの時のように、いいポジションをとるぞと僕はカメラを構えて船の前方へ移動しようとする。

が、今度はみんな船の後方に移動してきた。
あれ、イルカは船の後方から眺めるものなのかと思ってその場にとどまっていたが、瞬間後方デッキは戦場と化した。
今までカメラを構えていた人がみんな我先に、ウェットスーツを着て、ウエイトを腰に装着し始めている。
え?まさかこんな岩礁が多くて、こんなに波の高い場所を泳ぐの?
水深が深い場所を泳ぐのは僕も全然平気なのだが、こんな大荒れの海を何のためらいも無く泳ごうとする参加者に驚いた。

「泳いでもいいけど、波が高いから念のためにライフジャケットを・・・」
と、船長のGOサインが出るか出ないかのうちに、ライフジャケットも装着せず真っ先に参加者の一人が飛び込み、イルカのいる方向にすごいスピードで泳いで行った。
遅れてなるものかと、他の数人の参加者も続いて荒れる海に飛び込んでいく。
その次に、ライフジャケットをつけた参加者が後に続く。
参加者は一列になって、すごいスピードで青い波の中を見事にイルカへと近づいて行った。

すごい。僕も泳ぎに自信が無い訳ではないが、あそこまで海に慣れていない。
結局妻と僕とあとほんの数人だけ、船の上に取り残されてしまった。
もちろん水着は着ているが、こんなすごい場所を泳ぐとは思ってもいなかったので、フィンもウェットスーツも持ってきていない。
野生のイルカと泳ぐには、装備と泳力、そして海を怖がらない心が必要だった。
お気軽シュノーケル程度の装備の僕たちは、ドルフィンスイムをあきらめ、船上からイルカの姿を狙うことにした。
小笠原のイルカ
しばらくは少し離れた場所を参加者が一生懸命イルカの後を泳いでいたが、イルカの方からゆっくりと船に近づいてきた。
すごい、野生のイルカと初遭遇だ。
イルカは船の周りをゆっくりと泳いでいる。時々顔を出し、そしてまた潜り。とても優雅だ。
水族館でイルカはよく見るが、野生のイルカは初めて。
こんな近くまで寄ってきてくれるのは、とてもすごい。イルカは本当に人懐っこい生き物だということをひしひしと感じた。
こんなに好奇心を持って人間と遊んでくれる野生生物は、そういないだろう。
母島のイルカ
波はとても高く、船は大きく揺れている。僕も船の支柱を抱きながら、イルカの姿を撮っている。
そんな大きな波の中でも、イルカは優雅に楽しく泳いでいた。
僕が必死に耐える波は、イルカにとっては心地よい揺れなんだろう。
青い海を自由に泳ぐイルカが、とてもうらやましく思えた。
そして、この波の中、イルカに必死について行く参加者。
そして、船を波にさらわれて岩礁に乗り上げないように巧みにコントロールする船長。
海を愛する人間は、ここまで海に親しくなれるんだなぁと妙に感心したりもした。
イルカ急接近
船まで最接近してきたイルカ。時々潮を吹く音まで間近に聞こえる。
海の中に泳ぐイルカの姿はエメラルドグリーンのヴェールに包まれているように見える。
小笠原の海の青さとその美しさが、海を泳ぐイルカの姿からとても伝わってくる。
近くで見る野生のイルカの姿は、やはり水族館などで見る感動とは比べ物にならない。

小笠原で見れるイルカは「ミナミハンドウイルカ」と「ハシナガイルカ」
「ミナミハンドウイルカ」は人に慣れていてよく一緒に遊んでくれる。
「ハシナガイルカ」はジャンプが得意で、すごい跳躍を見てくれたり、時には走る船を追いかけてくることもあるそうだ。
さて、今日出会ったのは・・・どちらか忘れました(泣)
気持ち良よく大海原に泳ぐイルカ
何とかお顔を拝見できればと思ってイルカをずっと見ていたが、このイルカの群れはあまりパフォーマンスをして遊んでくれなかった。
それどころか、海の上を泳いでいたと思ったら時々潜って姿を消す。
そして、また思い出したかのように、海面に全頭がそろって姿を現す。
そのつど、船にいる乗客やスタッフが「何時の方向に出た」と見つける。
「何時の方向に出たぞ~」と船長が拡声器で海にいる参加者に伝えると、参加者はまたイルカの居る方に一生懸命泳いで行く。
どちらかというと、人間がイルカに遊ばれている感じがした。

船長曰く、このイルカの群れの中に何頭か小さな子供が混じっていた。
子供をかばっているので警戒心か強く、なかなか遊んでくれそうにないとのことだ。
少し残念だったが、こうやって何頭もが一緒に生活しているイルカの群れを見ると、なんだか心温まる。

しばらくして、伴走する僚船「PAPAYA Jr.」がイルカと遊んでいた参加者を回収して母船に戻ってきた。
十分に遊んでもらえなかったようだが、それでもみんなとっても楽しそうな、屈託のない笑顔をしていた。

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2008年6月21日 (土)

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小笠原旅行記30・母島へ向かう途中に・・・ 【東京都・島旅・ファミリー】

父島から南下開始
父島の南沿岸でのクジラとの遭遇。
感動の一瞬が終わると、船は大きなエンジン音をあげ、全速力で南下を始めた。
先ほどまでいた、南島と、父島との間に広がる沈水カルストの地形の島々がゆっくりと小さくなっていく。
父島「ハートロック」遠望
青い海の向こうに見える赤いハートの形をした「ハートロック
これはここが父島だとわかる、目印のようなものだ。
天気は徐々に回復し、海の青さがどんどんと鮮やかで、深くなっていく。

僕たちはクルーザーの後部デッキにいた。
あまり水しぶきはかからないとはいえ、全速力で走る船が巻き上げる飛沫はすごい。
後部デッキにも容赦なく飛び込んでくる。
しかし、まだ風は幾分涼しいが、飛び込んでくる海水は不思議なくらい温く感じる。
今がお正月である事を、すっかり忘れさせてくれる、初夏の様相だ。
離れてく父島と近づいてくるアホウドリ
船が進む後をずっとついてくる鳥が1匹いる。
時々海面すれすれを飛び、そして急旋回。
船からかなり離れたと思ったら、すごいスピードで後方から船に追い付いてくる。
まるで、船という珍しいおもちゃで遊んでいるようだ。

しかし、鳥が船の後についてくるのは実は「漁」のため。
船に驚いて海面に飛び出すトビウオをゲットするために、船の後でその機をうかがっているのだという。
時々海面に急降下するのは、狩りの瞬間だろうか。
アホウドリ
ついてきていたのは「アホウドリ」(絶滅危惧Ⅱ類)
加速するとき以外はほとんと羽ばたかず、長い羽根で海上の風をとらえて見事に飛んでいる。
陸地では飛ぶまでに時間がかかる為に簡単に捕まえられるアホウドリ。
その為、一時期は乱獲で絶滅の危機にさらされたが、今は手厚い保護もあり、数を増やしているそうだ。
陸地では鈍い鳥も、海の上ではとても優雅で、熟練した見事なアクロバット飛行を見せてくれた。
結局このアホウドリは母島までの約50kmのクルージング中、ずっと船についてきた。
海で生活する鳥。その飛行能力は並はずれてすごいものだった。
カツオドリ
前方の「母島」の島影が大きくなってくる頃、南島から飛んでくる鳥の姿も見ることができるようになった。
写真は「カツオドリ」
渡り鳥ではなく、同じ島に留まるので、この鳥が飛んでいると、陸地が近い印となるそうだ。
実際、目指していた母島は、もう目と鼻の先の距離だ。
母島最北端
ついに母島の最北端、「乾崎」が見えてきた。
母島に到着だ。
これから船は母島周辺でイルカを探し、シュノーケルを楽しんだのち、この島に上陸する予定だ。

が、その手前の鬼岩という巨大な岩礁の手前で船はゆっくりと停船した。
母島に到着してすぐ、出迎えるように待っていてくれたのは、探していたイルカたちだった。

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2008年6月15日 (日)

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小笠原旅行記29・大海原でクジラに遭遇!! 【東京都・島旅・ファミリー】

あっという間の南島の滞在が終わった。
南島の鮫池から外海に出た船は、母船のクルーザーと合流。
「PAPAYA」のクルーザーに僕たちは乗り移り、南島を後にした。
南島を後にする
「イルカがいた。すごかった」
僕たちが南島に上陸している間、母船に残ってイルカを探し続けたツアーの参加者がやや興奮気味だった。
僕は、不完全燃焼だった憧れの南島が遠ざかっていくのを眺めながら、やや消沈気味。
だが、天気は急激に回復してきた。まだまだこのツアーは始まったばかりだ。楽しまなくては。

しかし、船は少し走ったところでスピードをゆるめた。
クジラがこのあたりにいるということだ。
どこにいる?
ツアー参加者は、船から身を乗り出して探し始めた。
船の後方に僕たちはいたが、みんな船の前方に集まり、後は僕たちだけに。
よぉし、これで後方や横方面にクジラが出たら、最高の写真が撮れる。
僕はすぐに一眼レフを防水バックから取り出し、クジラの出現を待った。
しかし、それは間違いだった。

「いたぞ、10時の方向!」
船長から船内アナウンスでクジラの出現が伝えられると同時に歓声が。
「え~っと、10時の方向ってことは、船首左斜め前か!」
僕は身を乗り出して船の後方から斜め前をカメラで狙った。
が、そのとたん、船がゆっくりと旋回し、クジラのいる場所を12時の方向に修正した。
なるほど、だからみんな船首に集まっていたのか。
このツアー参加者はクジラやイルカのウォッチングにすべてをかけるリピーターばかりだと後で知った。
思えば、みんな勝手知った船。初めて乗船する僕たちがベストポジションを取るのは不可能だった。

それでも撮ったるで~。
僕は右に左に大揺れする船を行き来し、クジラの出現を待った。
そしてついに・・・
クジラのブロー
来たっ、クジラのブロー(潮吹き)
フシューっという音とともに、海から水しぶきが上がった。
あそこにクジラがいる。
クジラの潮吹き
もう1回ブロー。いる。確かにいる。
幸い、うまく船の横からも見える位置にクジラがいてくれている。
大きく揺れる船に僕は両足で踏ん張りながら、カメラを海に落とさないように慎重に構え続ける。
ハートロックとクジラのブロー
ちょうど「ハートロック」の前にもう一度ブローが上がる。
すごいぞ。こんな大海原にこれだけ離れていてもその存在を感じさせる生物がいるなんて。
急いで一眼レフのモードをスポーツモードにセットする。
ファインダーをのぞき、シャッタ